大臣会見

太田大臣会見要旨

2013年6月7日(金) 10:36 ~ 10:53
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で特に私の方から御報告するものはございません。

質疑応答

(問)笹子トンネル天井板落下の事故を受けて、中日本高速が社長は続投するものの、代表取締役専務ら関係者の退任を決めました。
この人事に対する大臣の御意見と今後新体制の中日本高速に対して求めていくことを教えてください。
(答)昨日(6日)、中日本高速の取締役会がありまして、御指摘のように取締役2名の交替を含む人事案の発表がありました。
今回の役員の交代につきましては、笹子トンネルの事故を受けた組織改革を進めている中で保全管理についての組織を抜本的に見直しをしていたところお二人からも退任の申し出があって、新しい陣容で対応するということになったと聞いております。
また、笹子トンネルの事故原因等につきましては5月28日に開催された第5回トンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会におきまして、設計・施工の段階でここに事故につながる要因が内在していた、そして経年劣化という原因、そしてネクスコ中日本の点検・維持管理も不十分であるという三つの時系列の中から、原因がそれぞれ内在しているということについての指摘があったところであります。
高速道路はこの笹子トンネル特に安全性ということが極めて重要であることは言うまでもありませんので、調査・検討委員会での議論を十分に踏まえて、とにかく再発防止策そして安全確保というところに新しい体制の下で取り組んでいただきたいと強く思っているところであります。

(問)先週、古屋国家公安委員長が北朝鮮の拉致問題について、海上保安庁と警察庁で連携して再調査をするという考えを示されまして、それからまた、一昨日、特定失踪者問題調査会が再調査の要望を海上保安庁に出してきたと思いますけども、これを受けた対応と今後の方針についてお聞かせください。
(答)報道があったり、そして海に関連した失踪者65名のリストが提出されたということで、これを受けて海上保安庁としてどうするかということだと思いますが、拉致の可能性が少しでもあれば調査を徹底するのは当然のことだと思っています。
海上保安庁におきましても必要な対応を講じていきたいとこのように考えています。
海上保安庁におきましては、平成14年から日本海側を管轄する海上保安本部などに拉致容疑事案調査室を設置して、拉致の疑いがあるとされている全ての事案につきまして調査を行ってきたところでございます。
この朝鮮人民軍の元幹部が拉致に関与した旨を証言したという報道を受け、また先般の失踪者65名のリストが提出されたということを受けまして、具体的に過去の海難事故について拉致との関連性の再調査に着手をしたところでございます。
具体的には、その幹部の証言にあります、1962年から1985年の間に発生した海難事故約6万9千件を中心として、昭和37年(1962年)以降の海難事故の隻数は約14万隻にのぼります。
かなり膨大なものですが、この1962年から1985年の間に発生した海難事故を中心として資料の精査、関係者からの事情聴取などを行っている、また努力しているところでございます。
いずれにしましても、関係機関と緊密に連携して対応するように、これは警察等の関係機関との調整も大事でありますけども海上保安庁に私としても指導しているという状況にございます。

(問)事情聴取は既に始めたということで宜しいでしょうか。
(答)今は基本的には事情聴取などをこれまでも行ってきた部分がありますが、とにかく全部で約14万件、あるいはその1962年から1985年と指定された期間については約6万9千件ありますから、その資料一つ一つについて資料に基づいて詳細に作業を開始しているということでございます。

(問)本日、社会資本整備審議会道路分科会第10回国土幹線道路部会が開かれていると思いますが、その中で中間答申案として債務の償還期間を10年から15年程度延長することも検討すべきという文言が入っていますけども、償還期間の延長について大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)高速道路のネットワーク機能を将来にわたって永続的に維持し、構造物の安全性を確保するということは極めて重要だと思っておりまして、寺島先生を部会長にお願いしている国土幹線道路部会で幅広く検討して、本日は中間答申案について議論される予定です。
そして、中間答申が6月中には出るという議論の段階だと思っています。
その中で10年から15年程度を目安にした料金徴収期間の延長も含めて議論をされていると承知しています。
今御質問がありました償還期間の延長ということについてはもう少し正確に申し上げますと、高速道路建設の債務を確実に返済するという民営化の趣旨を踏まえ、現在の償還計画に基づく建設債務については、45年以内、2050年までに償還する方針は今後も堅持するべきであると考えています。
その上で、現在の償還計画には大規模更新等に必要な費用は含まれておりません。
その為に、費用を確保するために必要な制度をどうするかということについて、国土幹線道路部会からの中間答申を踏まえて検討を進めていくというのが基本的な考え方です。

(問)その場合、答申を踏まえて検討をするということだと思いますが、建設に係った債務の返済と分けて老朽化対策の為にということで、償還期間を延長するということについては、国民というか道路の利用者を含めた方から、理解は得られると大臣はお考えでしょうか。
(答)色々様々な御意見もあるでしょうが、いわゆる償還計画に基づく建設債務については、償還するというのは、これまでの方針というのは堅持するという考え方の上で、この老朽化、あるいは維持更新ということが含まれていないので、その辺をどういう形にするか、また期間をどうするかということについては、中間答申等を踏まえて検討するということになりますけれども、そういう形で今検討中であるということです。
私は、ここは維持更新ということは、いわゆる建設債務については償還するということでそこで終えるということは、恐らく多くの人達はそう思っていらっしゃるのではないかと。
その他の維持更新について、どういう形でこれを賄うのかという点での提起だと思いますので、この辺りは丁寧に理解が得られるように御説明をし、また理解が得られるように制度設計をしていくというのが、これから私がやらなければならないことだと思っています。

(問)サハリン航空、ロシアからの航空会社が日本に乗り入れておりますが、サハリン航空が今度アエロフロートという国営の航空会社に吸収されまして、ロシアの航空会社、アエロフロート国営航空が日本の北方領土、サハリンに入ってくる訳ですけれども、オープンスカイということで空港の建設は自由でしょうけれども、かつては港を開くということは大変大きな、日本でも明治維新のあたりで問題になったように、港を開くということは今は都道府県に任されておるようですけれども、国としてはやはり各国によって自由に、港、空港を開いて入ってくるというようなものに対して、国としてはもう少し考えていく必要があると思うのですが、航空局というのは観光庁と同じような形のような、1つの独立したものになっていくような考えというのは、国土交通省にはないのでしょうか。
(答)仰るように明治維新の話をされましたが、港というか空港を開いていくということについては、私は積極的に行っていくという基本方針があって然るべきだと思っております。
その上で具体論についてはそれぞれ検討していくということだと思いますが、基本的にはその点をしっかり行っているというのが、あくまで基本線であると思いますし、路線の設立ということについては航空会社の判断だと考えています。

(問)大阪市の橋本市長が八尾空港のオスプレイの訓練受け入れについて、昨日官房長官へ話を申し入れたと思いますが、航空当局として八尾空港でのオスプレイの訓練の受け入れというのは可能なのかどうか、その辺りの見通しとお考えをお聞かせ下さい。
(答)そうしたことが提起をされたということで、総理大臣、官房長官ともお会いをして、沖縄の負担軽減ということで、それが趣旨であるということで検討を進められていくということになったのだと思います。
まずは外交・防衛当局での検討が進められていくものだと思っているところです。
地元の皆様の意向ということを大事にしなくては当然いけないと思っておりますので、それらも踏まえて今後検討ということで、まずは外交・防衛当局、そして地元の皆様の意見、こういうところの検討がそこで行われていくということだと思っています。

(問)高速道路の10年から15年無料化(有料期間)延長という話がありましたが、その検討の途中で笹子トンネル事故が起きました。
この事故が国土幹線道路部会で議論される中間答申案に与えた影響というのは如何でしょうか。
(答)この中間答申案は、この高速道路全体の検討を頂いていることは、それの路線で料金が違ったり全体的なシームレスな高速道路網をどうするか、そこでの料金体系をどうするかということが、当初は主眼であったと思います。
その中で笹子トンネルの事故ということが与えた影響は、これは笹子トンネルの事故だけではなくて、私自身が申し上げておりましたが、防災・減災そして(高度経済)成長期に出来た構造物が経年劣化をしてきているということで、維持・修繕、そして更新という要素が極めて重要であることが踏まえられたことが加わって検討がされたのだと思っています。

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