大臣会見

太田大臣会見要旨

2013年5月31日(金) 9:35 ~ 9:58
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議における国土交通省関係の案件はございません。

質疑応答

(問)先日29日に発表されました地価ルックレポートにおいて、地価の上昇がかなり大都市圏を中心に鮮明になってきています。
こちらについて大臣の見解をお伺いしたいのと、今後の見通しやリスクはないのかという点と、更に政策を地価の上昇に合わせてどのように対応させていくのかというあたりについて、コメントをお願いします。
(答)5月29日に公表されました地価ルックレポートにおきまして、三大都市圏の都市部を中心にしまして、従来の下落基調から上昇・横ばい基調への転換が広範に見られたところです。
内容を見ますと、上昇80地区のうち78地区は上昇率0%から3%と、緩やかな上昇に留まっているという状況にございます。
微増というのが多いということです。
それから上昇が多く見られる地域も、大手町や八重洲など東京・大阪都心の立地環境の優れた商業地に留まっているということ、また今回の調査の対象となった不動産取引の関係者等のヒアリングによりますと、土地取引を行う者が依然として慎重な姿勢であるということが見られると、こうしたことから今回の地価上昇は現時点では実体経済の状況を反映した合理的な範囲に留まっていると認識をしているところです。
今後の動向やそれに伴う影響ということにつきましては、引き続き注視をしていく必要がありますが、実体経済と連動した適度な地価の上昇によって土地取引の活発化、ひいてはデフレ経済脱却につながるということになることを期待をしているところです。

(問)先日(5月30日)「今後の社会資本の整備の維持管理・更新のあり方について」を家田教授(部会長)から中間答申を手渡されたかと思いますが、こちらについて、国土交通省としてそれを受けての今後の対応について改めてお伺いできますか。
(答)今年は「メンテナンス元年」としたいと私は強く主張し、また訴えているところです。
メンテナンスという、この維持管理ということについて、総合的にきちんと熟度のある論議がされて、全体像がまとめられたということは大変良いことだと思っております。
国、そして地方自治体が何をやるかということが示される、またその内容のマニュアル、あるいはそれに至る技術革新、あるいは人材の育成、そうしたことを全体的に示して頂いたということは大変意義があることだと思っております。
これは中間答申ではありますが、国土交通省としてはこの全体像というものを受けて、ここで示された内容を更に具体化をしていくということが大事だと思っています。
既に調査・点検が一番大事だということについては指摘をし、工程表も示して行っているところですが、地方自治体での技術的な能力の向上であるとか、あるいはマニュアルということをより整備して欲しいとか、そういうことがありますので、それらについて包括的に国土交通省としては更に進めていきたいと思っています。
人材や技術力が不十分な地方自治体に対しましても、国がマニュアルを提示したり、技術講習を実施するというようなことも大事だと思ってまして、それを更にこの答申を踏まえて実施をしていきたいと思います。
また、新しい技術開発、そして人材育成、点検結果などの情報の蓄積・データベース化、そうしたある意味では定期的健康診断のような、人間ドックのような形になると思いますが、それをきちんと残していって、本格的な老朽化対策、そしてメンテナンス、こうしたことに取り組んでいくという一番のベースが中間答申によって得られたと思っています。
スケジュールを国土交通省としては明確にした工程表を策定するということをしてきておりますが、更に新しい成長戦略、そして来年度の概算要求ということをよく見て、それをよく考えて検討を急がせたいと思っております。
昨日も家田先生(部会長)から政務三役に対して、完成したもの、出来上がったものだけでなく、メンテナンスとか技術的な現場を見て頂きたいと、そして非常に優れたメンテナンスマンという、そうしたピカイチのメンテナンスマンを表彰、顕彰してもらうというようなことがあると大変良いのではないかという提案があったり、あるいは福岡先生(会長)からは、今回はどちらかというと、いわゆる構造物ということですが、河川とかそうしたいわゆる自然公物ということについても、このメンテナンスの考え方の中で維持管理というものがしっかりできるようにという幅を広げていく必要があるというようなお話も頂きまして、そうしたことも視野に入れて取組を強化したいと思っているところです。

(問)別の方が以前聞いている可能性があるので、その場合には申し訳ありませんが、独立行政法人の統廃合であります。
車関係の話になりますが、自動車のアセスメントをNASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)が長らくやっていますが、これが2017年に自動車検査独立行政法人と交通安全環境研究所が統合された独立行政法人で行うと言われていますが、独立行政法人の統廃合の方針に変わりは無いのか、アセスメントはそのまま行うのかという辺りを細かすぎますが伺います。
(答)政府としては、そうした独立行政法人の統廃合や行革ということについては、今全体的な基本方針の下で、もう一度、基本理念も含めて検討をしようというスタートの時期にございます。
従って、政府全体としてもそうしたこれから詰めていこうという段階でもございますから、具体的なそうした統廃合を始め、行革という観点からのことについては、まだ着手をしていないという状況でございます。
現時点でそれがどう展開するかということについては、私はまだそこまで考えていないということですから、現時点で言えば従来の通り進んでいる、しかしそれはこれから更に検討するという場面が出てくるかもしれません。

(問)自動車検査独立行政法人と交通安全環境研究所が統合すると、前政権時の基本方針に現に文言が書かれています。
これは現状は尊重されているということでしょうか。
(答)そうです。
今私が申し上げたのは、現時点では従来の通りという、それが再検討されるかどうかというのは今後の問題になりますということです。

(問)再検討はあり得るということですか。
(答)そこは政府全体の方向性をもう少し骨太にどうするかということを踏まえた上でということになると思います。

(問)このところ、週刊誌で沖縄の土地問題が取り上げられていますが、昨日も所用で沖縄ツーリストという沖縄最大の旅行社に行きましたら、(旅行社の)中に不動産部というのが出来ておりまして、旅行の仕事よりもっと大きな形で不動産部が設置されておりまして、聞きますと、沖縄の土地を買い占めに中国の人が相当行くという話ですが、そういうものに対して、国として、国土交通省として中国の人達の土地の所有に対して、対応するような措置は考えておられるのでしょうか。
(答)私は、沖縄のその状況についての詳細は掌握はしておりませんが、現時点で沖縄でそうした動き自体というものについて何らか今対応措置をとるという段階では無いのではないかと思っています。
沖縄の現在の安全保障上の問題の位置付けから重要であることは当然でありますけども、沖縄の振興ということをもう少し具体的に詰めていかないとならないなと思っています。
国土交通省的には那覇空港の第二滑走路ということが大きく振興に寄与すると思っていますし、また道路とかあるいは鉄道が欲しいとか色んな要請がありますが、それが具体的な状況になっておりません。
そういう意味で土地の値上がりというものを想定しての動きということは、本格的には何が行われるかということはまだ何も決まっていない段階で、私はまだ注視することは当然でありますが、何らか対応していくという段階では無いと認識しています。

(問)6月から不正改造車を排除する運動が始まりますが、それにちなんでお尋ねします。
一般にバイクはうるさいと思われていますが、国土交通省の定める規制値というのは乗用車より厳しいものです。静かなはずなのにうるさく思われているのは、国土交通省が本腰を入れてないからではないかという指摘があります。
例えば騒音規制の測定は、エンジンの性能がわからないと正しく把握されないわけですが、国土交通省はこれを警察であるとか業界と共有してはおりません。
国土交通省の取組について大臣の御所見をお伺いできますでしょうか。
(答)騒音についてですか。
私は今、一昨日(5月29日)に不正改造車を排除する運動ということを6月からやるということを出させていただいて、そして、自動車局からこういうことをやらせていただきますという報告をいただいて、そして、自動車の改造車の規制だけではなくて、バイクの方の不正改造車の取り締まりというそこに騒音がひどい状況ということも当然出てきますから、そこの取り締まりということもしっかりやっていかなくてはいけないというようなことを相談をして、比率からいきますと警察と協力をしまして街頭検査等では年間約10万台ぐらいを実施しており、(保有台数比では)5、6%がバイクという、車とバイクの比重はそんなところです。
バイクの検査台数はどのくらいかと聞きましたら、1,000台くらいということですから、10万台に対して1,000台ということは1%くらいということは、比率からいったら少ないのではないかということを申し上げました。
ただ、距離数からいくとバイクは長距離を走るというのは案外少ないということもあって、特別に手を抜いたりしているということではないと報告を受けています。
騒音とか改造車の安全性の問題ということについては、この今の御質問ではありませんが、不正改造車の取り締まりというものは積極的にやっていかなければいけない、しかし一般的ないわゆる騒音ということでバイクはうるさいというような印象についてどうなのかということについては、これからよく調べさせていただきますが、騒音測定に必要となるデータにつきましては、これを必要とする警察や整備事業者にすでに提供されていると承知をしております。
その辺の騒音がどういう印象で、どういうメッセージを発すればいいのかということは検討させて頂きます。
今の現状の詳細については事務方から後ほど御報告させて頂きます。

(問)住宅ローン金利や地価動向の発表がなされていますが、今後、特に中古の住宅市場ですけれども、どのように国として活性化させていくのか、御所見をお聞かせください。
(答)これから中古住宅市場の活性化というものは極めて重要だと思っております。
それは日本の住宅がシャビーであるということもありますし、それから高齢社会対応、そしてバリアフリー、様々な事があると思います。
中古住宅市場が活性化するためには、そうした付加価値的な要素というものが付与されるということが、私は大事だと思っておりまして、そういう点では耐震改修をしっかり施していくということで、私たちが今様々な補助をしているというような事を始めとして、そうした良質な、又、より価値を付与するという、そうした住宅を提供できるということを国土交通省としてバックアップすることにより、中古住宅市場の活性化というものが生まれると思います。
現実に不動産屋に行って何を一番最初に聞くかというと、この2年くらいは耐震化はどうなんでしょうと真っ先に聞かれるということがありますから、耐震改修、あるいは耐震診断、こうした耐震化が施されていることを中心にして、プラスアルファの要素が常に提供されて初めて中古住宅市場の活性化がなされると思っているところです。
更にその辺はこれから一層努力をしていかなければならないことだと思っています。
新築(住宅)ということのなかでも、屋上の太陽光発電、あるいは緑化、あるいは外断熱工法をはじめとするそうした断熱、バリアフリー、そうしたことを含めて高性能の住宅というものが出来るように、更に力を注ぎたいと思いますが、そうした中古住宅市場については付加価値を付与するということについて、国が支援をするということが大事な活性化に繋がると思っております。

(問)先週25日土曜日から全日空のボーイング787型機が臨時便で既に運航再開をしまして、明日(6月1日)から全日空、日本航空共に定期便で運航を再開します。
これについて改めて大臣の御所感と、それから乗客に聞くとまだまだ不安だという声もありますが、その声に対して今後どのようにされるのかお考えをお聞かせください。
(答)6月1日から(ボーイング787型機が定期便で)運航が再開されます。
1月8日のボストン事案、1月16日の高松事案これらを受けて、安全性と原因究明ということについて日米協力してやってきまして、4月26日に耐空性改善命令が出されているということで、日本としてはそれに更に付与して、常にバッテリー状況については地上で把握を出来るということや、乗客への情報提供が大事だということを繰り返し指摘をしてきました。
先般(ボーイング787型機が)運航再開をすることで、ちょうど先週になりますが、国土交通省に両社から報告に来るということがありまして、私はその場に立ち会えませんでしたが、梶山副大臣が対応したという状況です。
私はそこで一番何よりも安全と安心の両面をしっかり確保する、そして安心ということについては繰り返し今の状況について報告をする、そして具体的には(5月)26日から全日空の場合は運航が(再開)されてきている状況にありますけれども、その1つ1つについても、航空局がどうだったか連携を緻密にしなければいけないということを言ってきました。
6月1日、いよいよ明日から(ボーイング787型機の運航)再開になりますが、何よりも安全と安心の両面について、引き続き注視をしていかなければならないし、その辺の様々な動きがもしあったとするならば、直ちに報告をして1つ1つ、そうしたことを乗客、旅行者の皆様に提示をするということが私は大事だと思っておりますので、そうしたことについては不安を持たれている方が大勢いらっしゃるのではないかということを良く踏まえた対応措置が大事だと思っているところです。

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