大臣会見

羽田大臣会見要旨

2012年10月26日(金) 10:53 ~ 11:11
国土交通省会見室
羽田 雄一郎 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議において、予備費の使用について決定いたしました。
17日の総理指示を踏まえた平成24年度の経済危機対応・地域活性化予備費の使用等についての決定であります。
 政府全体で国費4,000億円超、事業費7,500億円超であり、このうち、国土交通省関係は国費721億円、事業費977億円となっておりまして、主なものといたしましては、河川等の緊急風水害対策及び道路・港湾等の緊急老朽化対策として、河川堤防の緊急点検結果に基づく緊急対策245億円、橋梁やトンネルなどの道路構造物の緊急的に実施する老朽化対策155億円、通学路の緊急合同点検結果に基づく緊急対策として48億円、一般予備費を使用する事業として、公共土木施設災害復旧等49億円、海上保安庁の装備等の緊急整備170億円となっているところであります。
 特に、通学路の緊急対策については、本年4月以降、京都府亀岡市を始めとして通学路において相次いで悲惨な事故が発生していることから、道路管理者、学校、PTA、警察等が合同で小学校等の通学路を8月末までに点検したところであります。
緊急合同点検の結果、全国で約6万箇所について対応が必要となっており、関係者が連携して対策を実施することとしております。
これらの箇所のうち、応急的に対応可能な約1,800箇所について、今回、予備費を措置することとしたものであります。
私からは以上です。

質疑応答

(問)今の経済対策についてですが、通学路の問題を含めて大臣の所感をお伺いしたいということと、次に11月中に取りまとめる経済対策もあると思うのですが、国交省としてどういうふうな施策を盛り込んでいくのか、どのように考えていらっしゃるのかお願いいたします。
(答)今回の予備費の使用については、経済予備費では、当初予算編成時以降、7月の九州の豪雨災害や通学路における痛ましい事故が発生したことなどを受け、これらの課題に迅速に対応すべく、河川等の緊急風水害対策及び道路・港湾等の緊急老朽化対策、通学路の緊急合同点検結果に基づく緊急対策など緊要性の高い施策に対し、必要な措置を行ったものであります。
また、一般予備費を使用して、海上保安庁の装備等の緊急整備及び災害復旧等事業に取り組むこととさせていただいております。
今後、これらの措置の効果が十分に発揮されるよう、公共事業の早期発注など、この予備費の迅速な執行等に努めてまいりますとともに、引き続き、来月中を目途といたしまして取りまとめられる経済対策について鋭意検討を行っていきたいと考えているところであります。
11月中に策定される予定の経済対策についてでありますが、国土交通省では、本年7月に、人口減少や少子高齢化、財政制約、さらには震災を契機としたエネルギー制約等、我が国が直面する課題を克服し、子ども達や孫達の世代にすばらしい国土を残すために持続可能で活力ある国土・地域づくりの実現に向けて、国土交通省が取り組む政策を取りまとめたところであります。
なお、これらの主要政策の多くは、日本再生戦略に盛り込まれているところでありまして、国土交通省としてもこれらの主要政策をベースに実現前倒しのできる施策や、被災地の早期復旧・復興や大規模災害への防災・減災対策として有効な施策を対策に盛り込めるよう、総理大臣の指示に基づき、引き続き、鋭意検討していきたいと考えております。

(問)昨日、石原東京都知事が都知事の退任と国政への復帰を表明されましたが、大臣の所感をお願いします。
(答)まだ再任されてから約1年半しか経っておりません。まだ任期が約2年半残っておりますし、東京都は日本の経済を牽引するために重要な所だと考えております。
そういう意味では東京都知事としてまだまだしっかりと経済対策、また国土交通省としても色々な案件を抱えておりますので、そういう意味で御指導頂きたかったと思っています。

(問)利根川・江戸川有識者会議で多数の有識者の方から氾濫図に間違いがあると指摘されている点ですが、何が問題になっているかということで、カスリーン台風が昭和22年に氾濫したことになっている水量を川に戻した場合、2万1千トンと書かれているということに対して、実際に観測されたのは1万7千トンだということです。
その乖離を埋めるために氾濫図に氾濫していないところまでが氾濫していて、山に洪水が登っているということが問題だと言われています。
それがなぜ問題かというと、八ッ場ダムの効果自体が5百トンぐらいであって、国交省は最近1千トンとか言い始めているようですが、2.1万トンと1.7万トンとで4千トンもの乖離があって、そこにインチキがあるのではないかと言われています。
八ッ場ダムは5百から1千トンの効果しかないと、そういう誤差が証明できないということが問題なので、そういうことで理解されているかの確認と、それを指摘している有識者とともに現場に行って見られたらいかがかと思いますがどうでしょうか。
民主党の命運がかかっていると思いますが、お願いします。
(答)先日の記者会見でも聞かれましたが、これはもともと群馬県の昭和22年に作成した群馬県水害被害図を基に、いくつかの前提を明示した上で提示したものであり、ねつ造には当たらないと思っております。
もともとこういうものですよと説明をして出しておりますので、これが正しいとか正しくないとかというよりは、こういうものがあるということで御紹介をしたと認識をしております。
ですから最初からこれを出すことによってねつ造しようということではございません。
また、利根川の河川整備計画の目標流量の算出にも用いているわけではありませんので、八ッ場ダムの推進を狙うと言われたわけですが、そのことには当たらないと考えております。

(問)利根川の算出で2.1万トンに近いものが出てきているわけですが、その2.1万トンというところにそもそも飽和雨量で違う数値を入れて大きくしているのではないかという指摘があって、それで日本学術会議に検証などをお願いしたというのが馬淵大臣の時代なのです。
ところが、日本学術会議で検証された時の分科会の小池委員長は、「飽和雨量についての数値の操作があったかどうかという点については検証しません」と仰ったのです。
実際に検証しなかったのです。新しい国交省モデルを出してきて、その国交省モデルでもまた2.1万トンに近いものが出ましたということになっているので、これはずっと去年から1年間続いている問題なので、決着をつける意味では、大臣がやはり現場に行かれてその会議を説明している、22年の群馬県が出している資料を、前提を出しているからいいんだと仰いますが、それが間違っている、群馬県の資料が間違っているんです。
そのことは仰らずに、それを、出典を出しているからいいんだというふうに問題をすり替えてらっしゃいますけれども、それはまずいのではないかと提起をされているのですがいかがですか。現地に行かれては。
(答)そこはもう少し事務方から話を聞いて、検討はしたいと思います。
今の段階で私が現地へ行くとかそういうことではないと思っております。

(問)今回の予備費の関係なんですが、河川等の緊急風水害対策については具体的にどのような経済効果が発生されると思われますか。
(答)河川等の緊急風水害対策については、実際に災害が起こったところで復旧ということになりますので、河川事業においては、九州豪雨災害を踏まえた堤防の緊急点検の結果であります。
今後の復旧復興と言うよりは、実際に九州豪雨等で決壊した場所を点検した上で緊急的にやるべき所を設定したわけでありますし、こういう事はしっかりと進めることによって、地域経済には大きな影響を与えると思っておりますし、地域の安心・安全という意味では必要だと、緊急性も高いという判断をしているということです。

(問)(通学路の)安全対策なのですが、改めて今回これを入れた理由、大臣の思いなどあればということと、具体的な箇所でこの辺がやはり非常に厳しいのでというところがあれば、事務方の方でもいいので紹介していただければと思うのですが。
(答)亀岡とか色々なところで児童の方が亡くなられるということが起こり、また、全国の点検を行った中で、手当が必要な場所が約6万箇所ということになりました。
そういう中で、やはり児童の安全確保のためには、早期に実施する必要があると考えておりますし、この応急的に対応可能な箇所について、路側帯のカラー舗装化、また防護柵の設置等の交通安全対策を実施していきたいと考えているところです。
今回実施出来るのは、約1,800箇所ということでありますが、私の地元でもよくありましたが、小学校の総合授業の中で危険箇所というものを児童が実際に歩いて、そして地図に落としていくという形で、危険箇所のマップ等を作っているところがありました。
そのような意味では、今回もそのような形で地域からも要望がある、また学校でも総合学習の中で子ども達からも必要だとされている、このような所をすぐに対応できるという形にさせていただく中で、今言われましたように、どこがあるかということであれば、佐賀県の伊万里市では市内の全公立小学校で総合学習授業、この時間に通学路の危険箇所について学習し、通学路安全マップを作成しており、こうした通学路安全マップや緊急合同点検を踏まえて今回の歩道の拡幅等の対策、ここは歩道の拡幅を進める場所ですが対策を進めることとさせていただいたところです。
事例として一つ特徴的な所はここだと思っておりますが、その他でも既に地域の方で、ここは是非やって頂きたいという要望がもう上がってきているとか、地域で先程申し上げたような小学校等の交通安全マップ等を作成しているとか、このような所を中心に今回約1,800箇所の緊急的に対応出来る所、今年度中に実施が出来る所を選ばせていただきました。
約6万箇所ありますので、これからも鋭意通学路については、しっかりと対応をしていきたいと考えております。

(問)海上保安庁の緊急整備ですが、緊急と言いながら巡視船が完成するまでにはやはり今年度発注しても2年掛かるということですが、これは長期化するという、2年以上掛かると思われているからこその対応でしょうか。
(答)そのようなことではありません。
なるべく早く、これが長期化しないように努力はしますけれども、平成25年度予算要求にしっかりと入っておりますので、これを前倒しすることによって、1日でも1年でも早く、この巡視船またヘリコプター等を整備出来るようにしていきたいと思っておりますし、その他の設備については今年度中にすぐに準備が出来ますので、そのような意味では170億円の中でしっかりと1日でも早く出来るようにさせて頂いた、一般予備費の方で対応させて頂いたということです。

(問)今後の治水のあり方に関する有識者会議の件ですが、次は10月29日に行われると思いますが、中川博次座長がダム・堰施設技術協会の会長、これはゼネコン各社がメンバーです。
それから、ダム技術センターの研究顧問もされております。もう一つ別の公益法人の幹部でもありますが、いわゆる利益相反を起こしている方が、この治水のあり方を新たに考えていくというのはまずいのではないかと思いますが、この点利益相反を起こしている方が座長であったという点を御存じであったかどうかという点と、解任をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
(答)委員は、利根川・江戸川に関する学識の知見を持っておられるということで、前も多分お答えしたと思います。
(問)違います。今聞いたのは、全体の今後の治水のあり方に関する有識者会議です。
先程聞いたのは、利根川に関しての利根川・江戸川の有識者会議です。
(答)後ほどまた事務方から聞きます。
そしてまた、事務方へ聞いて頂ければと思います。

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