大臣会見

羽田大臣会見要旨

2012年9月11日(火) 10:17 ~ 10:38
国土交通省会見室
羽田 雄一郎 大臣

閣議・閣僚懇

 冒頭私から発言をさせて頂きます。
本日の閣議案件で、2点御報告がございます。1点目は、国土交通省幹部人事についてであります。
これから資料を配付させて頂きますが、本日の閣議で、本日付けで国土交通事務次官に佐藤(さとう)直良(なおよし)技監を任命するなど、幹部職員の人事異動について、御承認を頂いたところであります。
 2点目ですが、一般会計予備費の使用についてであります。
本日の閣議において、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持・管理に必要な経費として、尖閣諸島の魚釣島(うおつりしま)、北小島(きたこじま)、南小島(みなみこじま)の購入に要する経費に充てるため、一般会計予備費20億5,000万円を使用することとし、その旨決定致しましたので、御報告申し上げます。
 これは、昨日の「尖閣諸島の取得・保有に関する関係閣僚会合」において、「引き続き、尖閣諸島における航行安全業務を適切に実施しつつ、尖閣諸島の長期に亘る平穏かつ安定的な維持・管理を図るため」、「可及的速やかに尖閣三島の所有権を取得すること」、「尖閣三島の取得・保有は、海上保安庁がこれを行うこと」などが政府の方針として申し合わされたことを踏まえた措置であります。
 海上保安庁としては、当該政府方針に基づき、内閣官房と連携して、できるだけ早期に尖閣三島の所有権が取得できるよう努めて参ります。
 こちらからは以上であります。

質疑応答

(問)民主党代表選についてですが、再選を目指す野田首相をはじめ4名の方が立候補されましたが、そのことについての受け止めと各候補の論戦についてどのように訴えていかれるのでしょうか。
(答)まだ野田総理としては成し遂げるものがあるという思いで立候補をされたと思っておりますし、また4名の方が立候補するということでありまして、批判合戦ではなくて政権与党としてこれからの政権、日本の国をどのような方向に持って行くのかも含めて未来志向な論戦が行われることを期待しております。

(問)批判合戦にならないようにということですが、候補の中には党の分裂を招いたことへの批判も出ているようですが、それについてどのように受け止められていますでしょうか。
(答)それは野田総理も大変痛みを伴うものになったということで反省をされていますし、その中で政権与党として国民の皆様に不安を与えてはいけない、そして未来に向けてこの野田政権、民主党政権がどのような方向に進んで行くのか、この方向性を決める大切な代表戦でありますので、しっかりと未来志向で論戦を戦って頂くというのが重要であると考えています。

(問)尖閣諸島の問題についてですが、海上保安庁が取得・保有することになったことが政府の方針として申し合わせがあったということですが、これに伴いまして警備体制などに変化はありますでしょうか。
(答)海上保安庁はこれまでも、その時々の情勢に応じ、哨戒体制を強化するなど、我が国の周辺海域における監視・警戒を厳正かつ適確に実施してきたところであります。
こうした中で、先の通常国会においては、遠方離島上で発生した犯罪に海上保安官が対処できる仕組みを導入するなど、海上保安官の執行権限の強化を図るための法案が可決成立したところであります。
加えて、海洋権益の保全のための海上保安体制の強化にも引き続き取り組むこととしており、そうした観点から、平成25年度概算要求において、対前年度比約1.4倍の383億円を計上するとともに、組織面においては、本庁に海上保安官、第11管区海上保安本部に那覇海上保安部の設置を行うということ、また、定員面においては、対前年度比約1.2倍の400人の増員をそれぞれ要求をしているところです。
今般、政府方針等に基づき、尖閣三島は海上保安庁が保有をすることになりましたけれど、引き続き海上保安庁が関係省庁と連携しながら、情勢に応じて警備体制を強化するなどにより、必要な警備を厳正かつ適切に実施したいと考えております。

(問)利根川水系ダムで、渇水によって10パーセントの取水制限が実施となりましたが、受け止めや国民へのメッセージがありましたらお願いします。
(答)(取水制限)10パーセントということでありますが、節水について国民の皆様に御理解を頂く中で、しっかりと進めていただければ今のところは何とかなるかと思います。
ただこれが続いていくと、もっと大変なことになりますので、今のところは各家庭、また企業等にも節水について御理解・御協力を頂きたいと思っております。

(問)二点車関係でお伺いしたいのですが、税制改正要望で、取得税・重量税の抜本的見直しということが上がっているのですが、この趣旨と、総務省から今回上げてはないのですが、環境自動車税という排気量別の税制・地方税についての所見が一つ。
もう一点は、社会整備資本審議会の道路分科会で中間とりまとめが出ておりますが、この中で車道を削って自転車道を増やすという方向性、線ではなく面で考えていこうという趣旨だと家田さんが仰ってますが、これについてのお考えについての2点をお願いします。
(答)車というものは、我々国民生活と切っては切れないものだと認識は持っておりますが、その中で社会全体を見てみますとCO2削減等、また、国土交通省ではコンパクトシティということで、歩いて行けるような範囲内に色々なものが揃っている、このような低炭素型の政府を進めて行く中で、自転車というツールは非常に重要という認識は持たせていただいてはおりますが、共存していく中でどのようなものが適切なのか考えながらやっていくことが必要であると思っております。
また、自動車の車体課税の見直しについてでありますけれども、自動車の車体課税については、自動車ユーザーの皆様から複雑かつ負担が大きいと言われておりまして、そのことは私も認識させていただいております。
また、環境対策のみならず移動の円滑化、安全の確保、国際競争力の強化等の行政課題に的確に対応していく必要があると考えているところであります。
平成24年度の税制改正大綱の要点は、廃止・抜本的な見直しを強く求めるとした、与党の重点要望に沿って、簡素化、負担の軽減、グリーン化の観点からの見直しを行うこととされているところであります。
また、三党合意では、抜本的見直しを行うこととし、消費税率の8パーセントへの引き上げ時までに結論を得るとされたところでありまして、これらの方針に沿って、今後政府全体として車体課税全体について、廃止も含めた抜本的見直しの検討を進めていくことを承知しており、今回国土交通省としても平成24年度税制改正大綱等に沿って、抜本的な見直しを行うように要望をさせていただいたところであります。

(問)総務省の環境自動車税に関しては何か御意見ありますか。
(答)環境については、しっかりと取り組んでいかなければならない、21世紀の大きな課題であると思っております。
色々な議論がなされておりますので、今ここで言及することは避けますが、各省庁・関係省庁において色々な議論がなされていると承知しております。

(問)尖閣諸島について3点ありまして、1点目が今回尖閣諸島を取得するという方針が決まったことに関する大臣の受け止めと、2点目が先程(所有権取得を)速やかにと仰いましたが、具体的に地権者側とどのようなかたちで契約書なりを取り交わしていくのかという目途を教えて下さい。
3点目が海上保安庁が取得・保有を行うということですが、国有化した後は灯台や漁船など、そのような施設等を整備するお考えがあるのかということについて、具体的にお願いします。
(答)所有者といつ契約を取り交わすのかということでありますが、海上保安庁としては「尖閣諸島の取得・保有に関する関係閣僚申し合わせ」に基づいて、内閣官房と連携して出来るだけ早期に尖閣三島の所有権が取得できるように進めていくということでありまして、この交渉については内閣官房中心に行って頂いておりますので、こちらとしては内閣官房と連携して出来るだけ早期に、としか言えません。
また、利用についてですが、引き続き航行標識により航行の安全、また援助機能を維持することとしており、その他の方策については、その内容・必要性、尖閣諸島の長期に渡る平穏かつ安定的な維持管理という取得・保有の目的と総合的に勘案しつつ検討していく必要があるとは考えておりますが、政府全体でまた考えるということになると思います。

(問)その点についてですが、藤村官房長官は昨日、そのような施設などの整備を図るかどうかについては、今のところ触れるつもりはないと仰いましたが、大臣としては検討はするということでしょうか。
(答)既に灯台もありますし、機能はしていると思っております。
今回、基本的には所有者の移転ということだけであります。
今のところ、官房長官が言われた内容と私が申し上げている内容に齟齬があるとは思っておりません。

(問)(本日付けの)人事についてですが、海上保安庁長官がこのたび代わることになりました。
新しく海上保安庁長官になられる北村氏ですが、過去の長官人事を見てみますと、長官から国土交通審議官になられた方はいらっしゃいますが、国土交通審議官から長官になられた方は過去にいらっしゃいません。
今回の人事の狙いを教えて下さい。
(答)基本的には、幹部人事全てに共通することですが、東日本大震災の教訓を踏まえた上で、しっかりと国土交通行政を遂行していただけるということだと思いますし、海上保安庁長官についても、今までの経験等をしっかりと活かしていただく中で、今まで国土交通審議官としてもしっかりと現状を全て私と共に把握をしていただいてきておりまして、そのような意味では適任だと思っております。
(問)ある意味、従来よりも格が上というか、より経験を積まれた方がなられているということを考えると、今般の海上保安庁の状況を考えると、長官自体を格上げというか、そのようなこともあるのかなと思いますが、如何でしょうか。
(答)色々な事案が出てきております。
私が就任して以降も多くの事案が出てくる中で、鈴木長官にはしっかりと対応して頂いていたと思いますが、3年と長くなってきていることもあって、今回の人事異動は、いたしかたないなという中で、引継ぎという中でしっかりと体制がとれるという意味では、大変重要なポストであると思っておりまして、今回そういう意味では国交審からなって頂くということの判断をさせていただいたということです。

(問)尖閣諸島の問題ですが、大臣は今、日本政府は国が買い取ることで平穏にということが狙いだとお話しになられました。
中国側は昨日のテレビで実況していましたが、硬化していまして、危惧するのが日本でかつて2.26の青年将校の勃発があっあように、中国の勃発も一部の軍あたりから起こり得ることだと、そうした時に、大変大型の武器を持ち込んだりした場合、海上保安庁では対応出来ないのではないかと思いますが、そのあたり、アメリカのクリントン長官は日米安保での米軍の出動はないと、日本と中国でと言っていますが、どのように政府としては対応を考えてらっしゃるのか、それともあり得ないと思っておられるのでしょうか。
(答)政府全体として、外務省を中心としてしっかりと対応させて頂いています。
そして政府全体として注視をしながら対応させて頂いていると思っていますが、尖閣諸島は我が国固有の領土であり、歴史的にも国際法上も疑いなく、現に我が国がこれを有効に支配させて頂いております。
したがって尖閣諸島をめぐる解決すべき領有権の問題はそもそもないというのが政府の公式な見解であります。
そういった中で外交等を通じてしっかりと対応させて頂いておりますし、今まで同様、海上保安庁としてしっかりと対応させて頂いているということです。

(問)繰り返しになりますが、さきほどおっしゃったとおり中国側が反発を強めていまして、やはりまた領海に中国の工船が来ることも考えられると思いますが、その時の対応としてどのようにお考えでしょうか。またさらに工船が何隻も来ることも考えられると思いますが、どのような対応を行うのか、もう一度教えて頂けますか。
(答)しっかりと海上保安庁として哨戒体制を、その都度、その都度、対応させて頂いております。
政府全体としても外交を通じてしっかりと対応させて頂いているところでありますので、そういう意味では平穏に安定した中で、しっかりと有効に支配させて頂けるように、今後も海上保安庁もその一翼を担って頂くということだと思っております。
内容については、明かすということにはならないと思います。

(問)昨日JAL株の売り出し価格が一株3,790円で公表されました、この件について大臣の御感想、お考えをお聞かせください。
(答)JALの株ですが、昨日、売り出し価格が3,790円と決定したと承知しておりまして、株式上場に関する手続きについては、日本航空及び企業再生支援機構において、適切に判断されているものと思っておりまして、いずれにしても国交省としては安全運航の確保を大前提としつう、確実な再建が図れるよう、引き続き指導・監督を行っていくという立場です。

ページの先頭に戻る