大臣会見

羽田大臣会見要旨

2012年8月21日(火) 10:37 ~ 10:56
国土交通省会見室
羽田 雄一郎 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、私の方から特に御報告はございません。

質疑応答

(問)先日尖閣諸島上陸事件の映像について、昨日官房長官からも公開の検討をするように指示がありました。
先週の会見でも検討されると大臣は仰っておりましたが、その後の検討状況を教えてください。
(答)海上保安庁の業務執行に関わるビデオの公開についてですが、これまでも個別事案ごとにケースバイケースで判断してきたところであります。
海上保安庁の規制手法、また捕捉手法が明らかになるなど、領海警備等への支障、事案対応等を総合的に勘案して、その是非を決定してきたところであります。
今回のような活動家による上陸事案に関わるビデオについては、これまで公開したことはございません。
今般の事案については、官房長官の指示も受けております。
今後の領海警備等に支障が生じない範囲で、公開が可能か現在検討中であります。

(問)基本的には、前向きな方向で検討中ということですか。
(答)やはり警備に支障が無いことが大前提になってきますけれども、情報公開は大変重要な事だと思っておりますので、前向きにしっかりと検討させていただくということです。

(問)週末に日本人が尖閣に上陸するという事件がありましたが、この件について大臣のお考えをお聞かせください。
(答)基本的には、尖閣は政府関係者のみが上陸を許されておりまして、また、許可を得るということが大変重要であると思っております。
そういう意味では政府関係者でもありませんし、上陸されたということに関しては遺憾に思っております。

(問)地方議員ですが、民主党の議員も含まれていたと報道もありますが、その辺についてはいかがですか。
(答)党派とは関係なく、政府関係者しか今のところ限定されてますので、入ってはいけないところに入っていったということですから、公人たりとも政府の許可を得なければならないと考えております。

(問)航空ですとか観光ですとか、様々な分野で日中、色々と協議されていたり進めている事案があると思うのですが、その辺りの影響はどのようにお考えでしょうか。
(答)特段の影響は無いと思っておりますが、経済的、人的交流も含めて友好な関係を保っていかなければならないと、重要だと思っていますし、領土については、しっかりと毅然とした対応をしていかなければならない。
協議については切り離して考えていかなければならないと思っております。

(問)概算要求基準についてですが、公共事業費は前年比10パーセント減ということですが、震災復興費は別枠ということで、公共事業全体としては、コンクリートから人へというスローガンが民主党政権にありましたが、それと同様の野田政権以降は減らす方向なのか、それとも現状維持か増やすべくというか、大臣としては今回の来年度予算についてどのように捉えていらっしゃいますか。
(答)色々な大型公共事業が復活したという批判等はあるわけですが、一般公共事業費をどーんと増やすような状況ではありません。
コンクリートから人へという想い、また、実際人に対する、子供の育ちに対する予算というものは増やしてきている、民主党政権になってからですね、そのように思っております。
そして公共事業費については、ある程度抑制されてきていると思っておりますので、マニフェストに書かれた削減目標については既にクリアしていると思っております。
このような中で、やはり東日本大震災を受けて、震災の復旧・復興、そして全国防災ということについてもしっかりと考えていかなくてはならない今の日本の状況、この状況をしっかりと判断しながら予算を組んでいかなくてはならないと思っております。
そこは切り分けて考えていく必要があるのかなと思っております。

(問)公共事業に関連してですが、先週末、新幹線の起工式が各地でありました。先程も仰っておりました「コンクリートから人へ」の理念に反するのではないかという批判の声もありますが、改めて御所見をお願いします。
(答)新幹線に対する公共事業費を増やすということではありません。
今の水準を維持していく、そして、過度に公共事業費によらないということでありますし貸付料等も利用しながら行っていきます。
新幹線の起工式は行いましたが、10年後に開業を目指すとか、13年後を目指すとか、完成時期をずらすことによって、公共事業費に依存しないようにしていくことだと思っております。
この新幹線については、未来を担う子供達に夢や希望を与えるものだと思っておりまして、陳情に来られる知事さんや議員の皆さん、また商工会の皆さん、地域の皆さんは、自分は見られないかもしれないけれども、将来に向けて希望や夢を与えられるという意味では、多くの皆さんが地域においてお喜びになられていると思いますし、私も長崎に行って参りましたけれども、やはり新幹線が来るということだけではなく、これからの地域の発展、長崎のみならず近隣の地域の発展について、まちづくりも含めて10年あっという間だと、今から準備していかなければならない、準備するスタートだと、このような意気込みで皆さん来られていただいておりますので、私はそのような意味では、認可をしたことでしっかりと地域の皆さんが新幹線認可だけを喜んでいるのではなく、未来に向けての準備だという思いで受け取っていただいたことについて、大変嬉しく思っております。

(問)尖閣の映像公開の可否について2点お伺いしたのですが、公開の可否を判断する時期はいつ頃を目途になされるのか。
またこれまで公開してこなかったものを今回公開するとすれば、官房長官の指示以外にどのような判断基準についてなのか具体的に説明していただけませんか。
(答)現在、海上保安庁において、どこまで見せられるものなのかということを検討していただいておりますので、時期については海上保安庁でしっかりと検討していただいた上でということしか今のところは言えません。
検討している最中だということです。
基本的には情報公開は大変重要だと思っておりますので、なるべく公開した方が良いという思いはありますが、やはり現場の皆さんの逮捕の手法等に支障があるということになれば、そこはしっかりと情報を守っていかなければならないという立場もありますので、そこのところのやりとりだと思っております。
そういう意味では、現場も含めた海上保安庁の判断というものも尊重しながら、情報公開出来るものは公開していくということだと思います。

(問)6月4日の就任会見以来、八ッ場ダムに関しては藤村官房長官の裁定に従われるという御見解だと思いますが、その裁定にありました生活再建法案は提出はされていますがまだ審議入りしていないということの受け止めと、もう一つの要件である利根川水系の整備計画については、審議会並の傍聴を認めるという方向でよろしいでしょうか。
(答)基本的には河川整備計画を作るということが早急に求められていると考えておりますし、私も生活再建については、しっかりと取り組んでいかなければならないと、視察をさせていただいて、特に感じました。
そういった意味では、しっかりと河川整備計画についても進めていければと思っておりますし、結論についてもしっかりと出していく時期が来るのだと考えております。
今現在、河川整備計画をいつまでという段階ではありませんが、官房長官裁定を踏まえて、河川整備計画の策定を早急に進めていき、その中で、まずは全体像を速やかにお示しできるように努力していきたいと考えているところです。

(問)傍聴についてはいかがでしょうか。
通常の社会資本整備審議会で普通に傍聴させて頂いておりますが、それと同等の傍聴のやり方ということですか。
(答)特に今までと変えるつもりはございません。

(問)社会資本整備審議会並みの傍聴、公開ということでよろしいですか。  
(答)その方向だと思いますが。

(問)生活再建については、今行われている生活再建事業というものは、ダム事業の中での生活再建だと思うのですが、それであると、要するに2要件をクリアした後で政府としては本体着工するかどうか決めるということになっていますので、藤村官房長官裁定を見ますと、そこでの判断ということになりますと、その条件を早くクリアするということが重要で、それによってダム事業としての生活再建になるのか、それとも、ダム事業を止めるということでの生活再建法案の実行になっていくのかということになると思うのですが、整理をしますと、今のところはダム事業としての生活再建事業が進んでいるという状況ですが、その辺はどうお考えですか。
(答)ダム事業が進むかどうかに関わらず、もう既に移転等も進んでおりますし、しっかりと生活再建については、責任を持って行っていかなければならないと思います。

(問)先日、幼稚園や保育園の送迎バスのシートベルト設置の検討を始めるということだったのですが、これまで、園児バスに設置義務がなかったのはなぜなのかということと、今後検討するに至った経緯というか、理由を教えてください。
(答)国土交通省として、園児バスにシートベルトの設置を義務付けるという方針を決定した事実はありません。
園児バスの安全性向上策については、学識経験者等で構成される「車両安全対策検討委員会」において検討を行っているところであり、年度内を目途に結論を出したいと考えておりまして、今、国交省として決定したということではなくて、学識経験者の皆さんの中でしっかり検討して頂いている段階だと考えております。

(問)尖閣のビデオ公開の関係でもう一点お伺いしたいのですが、上陸されたケースでビデオを公開したことは、これまでないのですが、上陸を阻止したケースでは、これまでビデオを公開されたことはあるのです。
上陸されたから今回ビデオを公開しないとか、そもそも上陸されたされないに関わらず、ビデオは基本的には公開しないという考えなのか、その辺りについてお願いします。
(答)今までも活動家による行動について、ビデオを公開したことがないということでありまして、そのケース・バイ・ケースで判断を行っているということであります。
公開している部分については、平成8年に香港の活動家による尖閣領海内で、水の中に皆さん飛び込んで泳いだわけですが、溺れそうになり逆にこちらが助けたという中で1名亡くなられた。
このことについては、海上保安庁としては人を救助している部分をしっかり見せないと「そのまま放って置いたのではないか」という疑念が持たれる。
我々はしっかりと人助けをしたという部分を一部公開した事がございます。
また、その他の場合は、平成13年12月に起こった工作船の事件、これは威嚇射撃を行った上で工作船が自爆した例であります。
このことについては自身で爆発を起こして沈んだということについては、しっかりと公開しなければならない。
我々としては威嚇射撃しかしていないという事実関係をしっかりと示すという意味で公開をさせて頂いた例でございます。
また近いところで平成22年9月7日に中国漁船の公務執行妨害については、相手が何度も海上保安庁の巡視船にぶつかってきた事案でありまして、これについては公務執行妨害も含めてしっかりと示す必要があったということであります。
それにしても、平成22年10月27日に那覇地検から衆議院議長に対し、映像記録7本を提出し、予算委員会理事に限定解除を致しました。
ただ、インターネットに動画が配信されてしまったということもあり、その後、海上保安庁から参議院議長に対し、流出した映像記録を提出公開ということになりましたし、その後、海上保安庁から参議院予算委員会理事会に対し映像記録のダイジェスト版を提出公開ということになりました。
映像の公開についてはケース・バイ・ケースで大変慎重に行ってきたと考えておりまして、今後も海上保安庁の保安官が作戦を遂行するために支障がないかを慎重に検討した上で公開できるものはしますし、なかなかそうはいかないものもあるのでケース・バイ・ケースで判断したいと思います。

(問)上陸される、上陸されないに関わらず判断されるということでしょうか。
(答)上陸される、上陸されないということではありません。
今回については特段、公務執行妨害等ということではなかったわけですから、どちらかというと我々の作戦があまり表に出ないようにすることが重要だと考えております。

(問)利根川水系の河川整備計画を作成する際に、学識経験者等の意見を聞きますが、昨今利益相反ということが問題になっており、例えば従来の会議に、ダム水源地環境整備センターの理事をされている学者が含まれていたりするのですが、そういったことは今回チェックされる理解でよろしいでしょうか。
(答)その議論は私のところに上がってきておりませんので、事務方から聞いて頂ければと思います。

(問)大臣のお考えとしては如何でしょうか。
ダム事業等を受注している公益法人の方が出席される事について、一般論で結構です。
(答)色々な方から意見を聞くことが大切だと思います。
問題があるということであればしっかりと検討した上でと考えております。

ページの先頭に戻る