大臣会見

前田大臣会見要旨

2012年3月2日(金) 10:04 ~ 10:26
国土交通省会見室
前田武志 大臣

閣議・閣僚懇

本日、国土交通省関係の閣議案件はございませんが、一点御報告をいたします。
成田空港のビジネスジェット専用ターミナルについてです。
成田空港において首都圏初のビジネスジェット専用ターミナルを整備していましたが、3月31日にオープンすることとなりました。
また、昨日は本邦初のLCCがスタートし、成田空港でも夏からLCCが新規に就航する等、新しいニーズに対応した取り組みを進めることで、我が国の国際競争力を強化し、持続可能で活力ある国土・地域づくりが進むことを期待しております。

質疑応答

(問)来週、首都高速道路が大規模改修の検討を始めるということで、今後の高速道路の運営、維持管理のあり方について改めてお聞かせください。
(答)有識者委員会で中間とりまとめを出していただいております。
そういった中で高速道路の維持管理については、造ってから随分と経ってきて、維持管理が非常に大きな課題になってきておりまして、その辺についても検討していただいたわけです。
特に首都高はオリンピックの時に出来たわけですから、これについてはコストの縮減、あるいは予防保全を含めた道路資産の長寿命化など、戦略的な実施に取り組んでいきたいと思います。
高速道路全般について言いますと、全国のミッシングリンクについては、「中間とりまとめ」を踏まえ、厳格な事業評価の下、整備効果及び緊急性の高い箇所は重点化を図って効率的に進めていきたいと思います。

(問)今のお話にも関係するのですが、先日の民主党の会合でも新名神などの抜本的見直し区間について話が出ていましたが、今後どういったスケジュール感で見直しをされるのかといったものがあればお願いいたします。
(答)率直に言いますと、やはり3.11の東北大震災の教訓は非常に大きいと思います。
新名神なども似たところがあるのですが、例えば外郭環状を今回推進する方向を出させていただきました。
これは国会でもいろいろと議論になります。
確かに我々民主党政権というものはコンクリートから人へなのです。
私も、まさしくその方向で行っているつもりです。
しかし、例えば外環一つをとっても、関越、中央、東名、この高速道路が高速で繋がっていないわけです。
日本のような世界の中では大きな国で、しかも非常に厳しい国際競争や、どんどん発展し得る発展途上国との競争にさらされて、首都にそういったリンクが繋がっていないということは、3.11の経験を踏まえた多重防御という意味における脆弱性、それから国際競争力、そういった面から言って、これを繋ぐとということはやはり必要であると思います。
もちろんB/Cであるとか、いろいろな観点からの評価の上でございますが、これは早急に行わなければならないなと、そういった箇所については重点的に行うということです。
新名神についても実は非常に渋滞区間が多発していて、放置しておくと近畿圏の一番中心の所で、非常に大きなマイナスが出るのではないかと思います。
これは私自身がいろいろな議論を通じて受け止めていることですけれども、その辺は確かに違ってきた観点かなという気がします。
  
(問)いつごろまでに結論を出すということは、特にありませんでしょうか。
(答)速やかに検討をしたいという立場ではありますが、コスト縮減であったり、あるいは、どういうような効率的な設計が可能かだとか、かなり専門的な分野に関わりますので、早く進めたいとは思いますが多少の時間は掛かると思います。

(問)先日閣議決定された低炭素まちづくり法の関係なのですけれども、今回はコンパクトなまちづくりを誘導する手法が採用されているわけですが、郊外での開発をもっと規制あるいは禁止する手法も場合によってはあり得るのではないかという声もありますけれども、その辺を大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)規制と誘導というふうに対立項で捉えるような問題ではないと思います。
質問の御趣旨はよく分かるのですが、例えば、私なども地元に帰るとそうなのですが、都市計画区域の線引きの問題などは関係する地権者にとってみたら、土地の資産の問題ですから非常に抵抗がある話で時間は掛かります。
しかし一方で、トータルで大局的に捉えると、人口は減っていって、現実に地方都市は高齢化、人口減少、空洞化が生じているわけです。
特にニュータウンが、地方都市も含めて都市の発展の原動力になっていたわけです。
皆様方も育ったのは、そういう立派な住宅団地だと思いますが、これは公共投資も随分と行って、道路であり、下水道であり、学校であり、ショッピングセンターであり、基盤が整備されているわけです。
そこが今、急激に空洞化しております。
そういったオールドタウンを再生させようとすると、やはりそこは住まい方、そして高齢化しておりますから、そこに医療だとか福祉、介護、そういったものが在宅で受けられるような医療・福祉と一体となった地域包括ケアというものを、厚労省の方は打ち出しております。
私は、本日の午後、豊四季台に視察に行くことにしておりまして、そこは、先験的に行っているところなのです。
そういうことを政策としては打ち出し始めているわけですが、なるべく早くいろいろな地域で実現をして、成功モデルを作っていただく。
そうすると周りもそういうものを見て進めていただけるようになると思うのです。
規制で行うというよりは、むしろ新しいコンパクトシティ、都市の再生というものの成功モデルを早く各所で作っていただきたいと思います。
そのためにいろいろなインセンティブを出来るだけ行うということです。
ただし、時間は多少掛かります。
というのは、国民の意識が3月11日以来、もう少しコンパクトな住み方といいますか、交通手段もマイカーではなくなるべく公共交通、高齢化しておりますからオンデマンドタクシーなども含めて導入しないといけないということもあるでしょうし、そして何と言ってもマイホームが唯一の資産であるはずなのに、その資産がまったく価値を無くして、定年退職してローンを払い終えたころには産業廃棄物になっているという惨状ですから、それをコンパクト化し、省エネ改修も行う、そして何よりも流通、マイホームの賃貸なども含めて流通市場というものがもっともっと回るようにしていくと資産価値が出てきます。
そうすればリバースモーゲージというものも可能になってきます。
そういうところまで見通して、5千万戸あるマイホーム、これが都市の中心となるわけですが、そういうところの再生を通じて、低炭素まちづくり、持続可能な地域づくりを行ない始めています。
5千万戸です。毎年、2百万戸の住宅の価値ある改修・再生を行っていく。
そうすると、25年かかるわけです。継続して地域で雇用が回る、経済も回る。
非常に地味に見えますが、各地域に先端の工場を引っ張ってくるということはあり得ないわけですから、このようなことを本当に地道にやらなければならないと思います。
そういうことの一番最初の基本的な法案だと受け止めていただきたいと思います。

(問)「今後の治水のあり方に関する有識者会議」についてお伺いします。
毎回、開催の二日前に通知がありまして、一日前に締め切りがあるという状態ですが、米国では会議公開法で1週間前までに通知をしなければならないとあります。
(答)米国のどのようなケースですか。

(問)米国では会議公開法という連邦の法律があります。
1週間前までには通知しなければならないとされています。
このような法律の必要性については大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)一般的な会議ということになると、そのような方向であるべきだと思います。

(問)そうすると、「今後の治水のあり方に関する有識者会議」というのは、懇談会に相当するものだと思いますが、審議会ではなく、諮問機関であると思いますが、日本では法律はありませんが、1998年に「中央省庁改革基本法」に根拠を持つ閣議決定がなされております。
その中で「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」、それでは原則公開ということになっておりまして、これは審議会のみならず、別紙4において、諮問機関についても原則公開であるということが書かれております。
これについては、現状の規約では座長が非公開であればそれで良い、ということにしています。
閣議決定のほうが上だと思いますが、その点はどのようにお考えでしょうか。

(答)私はあまり、形式主義をとるつもりはございません。
それは会議の性格に応じてということになるかと思います。
一般論で言うと、申し上げたとおり公開すべき会議はどんどん公開すれば良いし、その場合にはきちんと1週間くらいの余裕を持てるように発表すべきだと思います。
ただ、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」、これは前原氏が大臣の時に作られたスキームにのっとって、そして、このような会議を設けて、座長を始め、人事も前原氏がされて、いわばこの面での非常に権威というよりも、バランスのとれた専門家である有識者を選ばれて行ない始めました。
そして、実態はこの中の皆さん方も、随分出ていただいているんです。
プレスには公開しています。
それは座長をはじめ、有識者会議が決めたスキームですから、それはそれで良いのではないのでしょうか。
もちろん中身については公開しております。

(問)閣議決定のほうが、座長という一有識者が決めた規約よりも上ではないのでしょうかということについての大臣の見解をお願いします。
(答)閣議でそのような方向になるべくしなさい、ということを決めているわけです。
この委員会の場合には、極めて専門的なことを有識者の方々が御自分の持っている知見と信念に基づいて議論をされるわけですから。

(問)それは非公開の理由にはならないのではないのでしょうか。
(答)私はそのように思いません。
私が判断するわけではありませんが、座長をはじめ委員の方々がそのように決められました。
しかし、いわゆる全く非公開の秘密会議だとか、そういうつもりは毛頭ないわけで、だからこそ、国民全般を代表し得ると言いますか、いろいろな各界、各層、あるいはいろいろな立場の方々もおられますが、そういう方々に伝わるように、単に登録された記者クラブの人という話ではなしに、ジャーナリスト全般に対して公開しているわけです。
その決められた背景等を考えると、これはある意味、私は有識者の方々の良識ある判断でそういうことを決められたのだろうなと思います。
出ておられるんでしょう、毎回。

(問)2月22日に石木ダムの地権者の方が13世帯を代表し、傍聴を希望して来られました。
そこでもし決まった場合は、自分は強制収用をされてしまうということで。
そのときに大臣は冒頭で挨拶に来られる予定でしたが、そのときはどちらにいらっしゃって、その判断にはどのように関わられたのかということをお聞かせください。
(答)私は、事務方の方から、そこには副大臣が出られますからということで、別の会議に出ていたと思います。
ちょっと調べてみないとわかりませんが。

(問)次第にはお名前が載っていたものですから。
(答)そうですか。

(問)現在、整備新幹線小委員会で検証している費用対効果についての質問です。
九州新幹線の長崎ルートでは、開発目標速度が270キロのフリーゲージトレインの導入を予定しているのですが、それを試算するときに山陽新幹線が1日14本乗り入れることを前提にB/Cを計算しています。
要するに、長崎から新大阪まで乗り換え無しに行けますよという話なのですが、それに対して、JR西日本側が山陽新幹線の部分が300キロ中心でダイヤを組んでいて、今も、ものすごく過密だと、乗り入れることは困難だという立場をずっと言い続けています。
JR側が困難としている状況の時に乗り入れを前提にB/Cを計算するということは、総便益の嵩上げではないかという声もあるのですが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
(答)今初めて聞く、かなり専門的な話なので、答えは今持ち合わせていませんので、また調べてお答えをします。

(問)2月27日ですが、大臣は各国の大使との意見交換会を開催されました。
大臣自身はベトナムに出られたこともあり、アジアの17か国の国々とのお話ということで、テーマはインフラの海外展開ということでしたが、どの国からどんな問題が出たのか、その結果を発表されないのでしょうか。
また、どんなテーマが話題になったのか、今お話いただけますか。
(答)会議の中身については、そのうち議事録を公開するんだろうと思います。
外務大臣主催で地域別の大使会議が開催されますので、それに集まられた機会を利用して、国土交通大臣主催の、各国大使から今任地でどうなっているのかというような、むしろ勉強会を開かせていただきました。
成長戦略閣僚懇談会が今日の夜ありますが、インフラパッケージの海外展開も成長戦略の柱になっています。
特に、アジアの大使は、まさしくインドネシア、インド、中国を含めて、今、世界で一番の牽引役になっている所の大使の皆様方です。
ミャンマーもあればタイもあるわけです。
政治状況まで御報告頂いた大使もおられました。
そういう中で、どういうニーズと言うか、それぞれの任国で、特にインフラ関係を中心に、日本に期待するものがどういうものであるかというような話を頂いて、非常に成果があったと思います。

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