大臣会見

前田大臣会見要旨

2011年10月21日(金) 11:00 ~ 11:20
国土交通省会見室
前田武志 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議におきまして、国土交通省関係の閣議案件は特にありませんでした。
私の方から一点御報告をさせていただきます。
本日の閣議におきまして、平成23年度第3次補正予算の概要を決定したわけですが、国会の方には28日くらいに提出されると思います。
いよいよこれを中心に論戦をしていくことになりますが、被災地の復旧・復興や全国での災害に強い社会基盤整備に全力で取り組んでまいりたいと思います。

質疑応答

(問)今日で羽田空港の国際化から1年が経ちますが、成田空港と併せて首都圏空港をどのように強化していくのかなど、大臣のお考えをお聞かせ下さい。
(答)前回もこの件について御質問がありましたが、この1年間で羽田空港も利用度が上がり、特に国際関係は利用度が2.1倍になったということです。
成田空港についても増強していくと同時に、国際関係についてはアジアの需要が随分増えてきているわけで、そういったものの大きな受け皿になり得ます。
この2つが連携し合うことによって、ここ数年、たぶん3年位を想定していると思いますが、国内線、国際線を含めた発着枠を75万回くらいまで段階的に増加させていくということで、特に羽田の夜間枠の3万回等を含めまして、まずはインバウンドといいますか、観光というだけではなくてビジネスも含めて、この2つの空港で国際ハブを受け持っていくという目標に向けて、大きく前進をさせていきたいと思います。

(問)3次補正の関係ですが、鉄道に関する災害復旧については、3セクについては盛り込まれているのですが、JRに対する方針はどのようになるでしょうか。
(答)率直に言えばJR東日本ということになりますが、ここについては、あくまでも基本的にはJR東日本が自らの責任で行っていくということになっております。
つい3日ほど前に、私は福島県の沿岸や南相馬市を視察してまいりました。
常磐線が途切れてしまっております。
これは生徒さんであったり高齢者であったり、交通弱者の方々にとっては、せめて町と町との間については、まずはJRが復旧してほしいということで、JRにもお願いをしております。予算のことですから中身のことについてはまだ確定的なことは言えませんが、相当前向きに受け止めて行ってくれております。
御質問の趣旨は、その復旧に向けて、国土交通省として具体的にどのような応援ができるのかということだと思いますが、それはまちづくりの中で、都市計画事業、特に区画整理事業を行う場合に、復旧する駅などはまちづくりの中心になるわけですから、都市計画事業の中で相当の応援が出来ると思っております。

(問)今後の治水対策のあり方に関する有識者会議についてですが、これまでいくつかのダムが中止となり、又は継続となっておりますが、継続とされたものの中には委員たちが水余りを指摘したものもありました。
そういう意味で、前原大臣になった時に、批判的な意見を持っている委員ではなく、それまで推進してきた委員を中心に、推進してきた委員の考え方を変えてもらうのだという人選が行われたと思いますが、今後、今までの検証を踏まえて、委員の追加をお考えになった方がよろしいのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
(答)有識者会議の委員の構成をもっと増やした方が良いということですか。

(問)例えば、原発事故を踏まえて、エネルギー総合政策の委員会の方も批判的な委員を加えました。
今の委員のメンバーは、推進の方、河川工学者、そしてそれ以外の方という構成になっています。それに対しては随分と批判がございましたので、この辺りで軌道修正をするというようなこと、ダムに頼らない治水を実践してきた方、例えば元国土交通省の職員であった宮本博司さんなどを加えるということはいかがでしょうか。
(答)具体的な人事のご提案のようですが、私の今の理解では、有識者会議というのはオールジャパンの83事業に対して、有識者の高い見識で評価をしていただく会議だと思っております。
そして、各具体のダム事業については、各地方整備局を主体にした検討の場がございますので、そこに自治体の長や、かなり専門的な方々も入っていただいて、時には適宜、学術会議に色々検討していただくということも含めて行っております。
ですから、有識者会議は元々幅広い構成になっていると理解しております。
特にご指名でこの人ということ自体が、何か意図を持ってというように見られるおそれもあるかなという感じもいたします。
もちろん今のようなご指摘があるということも承知しておりますので、必要に応じて、そのような方々も来ていただくような機会は考えなければならないと思います。
更に申し上げれば、私は就任以来何度か、前原大臣の時に作っていただいた検討の場、有識者会議、そして検討の場できちんと自治体の長も入って選択されたことを有識者会議に持っていって評価をしていただく、そういった先入観のない検証をしっかり行った上で大臣が決断するというスキームを崩さないということをずっと申し上げているわけです。
このスキームそのものは大事にしていかないと、そもそもの信頼と言いますか、行ってきたこと自体全てがおかしくなるといけませんので。
しかし、そこに今ご指摘のような観点から、必要な人に適宜出ていただくというようなことは考えても良いのではないかと思っております。
更に申し上げると、3.11の大震災の教訓というものが何か、その教訓を踏まえた上で、有識者会議にきちんと資料を提供できるようにしたいということが私の考えでありまして、御承知のように、7月の半ばに行われた社会資本整備審議会において、今回の東日本大震災のことについて議論をずいぶんと行っていただいた結果として、命が大事だ、そして災害に上限はないと、この二つの教訓を導き出していただいているのです。
これを踏まえて、国交省の中に、事務次官を長とするタスクフォースを作っていただきました。
このタスクフォースは原局である水管理・国土保全局、要するに検討の場というものは各地方整備局でありますが、それが本省に上がってくると、ダム関係というのは水管理・国土保全局になりますので、利益相反にならないようにこことは遮蔽をしております。
今、そのタクスフォースがかなり方向性を出してくれておりまして、そこでいろいろな立場の有識者の話も聞くし、60年にわたって調査を行ってきているのですから、その中には議論されて、今は埋もれてしまっているようなものもありますので、そういうものも全部精査していただいた上で、3.11の二つの方針に沿った資料を集めていただいて、それを有識者会議に提供するということを行っております。

(問)埋もれている資料について、もう1点だけ確認をさせてください。3.11に限らないのですが、例えば、栃木県などは利水はしませんし、治水については、過去、八ッ場ダムの計画を作るときに、当時の建設省の方から参加をしていただけないだろうかという話があったので参画しているということで、栃木県は、実際は利根川とは接してもいないのです。
そういった経緯も掘り起こして、国が声をかけて自治体に参加してもらったというようなものは、国自身がもう一度その必要であるかどうかということを検証する必要があるのではないでしょうか。
(答)私も、あまり専門的というか、詳しいことになると、この立場ですからわかりませんが、今のお話はたぶん検討の場においては当然関東地方全体ですから。
今、栃木県と言われましたが、栃木県というのは利根川の流域にもなるわけです。
思川だとか、こういった川は確か栃木県だったと思います。
そういったことも含めて、中にはたぶん資料としてあるはずですから、そういったものも見つけ出せるかもわかりません。

(問)バーターでやったところがあるそうです。
(答)ちょっと何のことだかよくわかりませんが。

(問)思川にも賛成してもらうので、八ッ場にも賛成してくださいということで、実際には関係ない地域同士が入っているということでした。
(答)そういったことも含めて、その中に入ってくるかどうかですね。
もちろん、パブリックコメントがありますから、詳しくはパブリックコメントに今言われたようなことも是非提供されたら良いと思います。

(問)出先機関の改革についてお伺いしたのですが、昨日、官邸で開かれました地域主権戦略会議で出先機関の改革については推進していくと、そして来年の通常国会に法案を提出するということを総理がおっしゃいましたけれども、それを受けて、対象となっている地方整備局をお持ちの国土交通大臣としてのお考えと、今後そういったスケジュールを進めていく中で、何か具体的に今お考えを持っていらっしゃることがあれば教えてください。
(答)今日の閣議で昨日の結果報告があり、特に総理から、しっかりとした御指示がありました。
また、地方支分部局の廃止を含めて、地域主権改革の法案は24年度に成立させることになっていることの確認がありました。
当然、国土交通省としても、その方針をしっかり受けますが、私の受け止め方は、そういった方針が出来たから、地方支分部局の改革あるいは移管、そういうことを行うんだということを越えて、要するに日本の国がどんどん停滞していっている、これだけ複雑、多様化した経済社会のあり様の中で、もっと地方が本当に責任を持って行っていかなければならない時代、それを地方の首長さんなども取り組んでおられるわけですから、地方支分部局という問題もその中で、地方がブロックで一緒になると、ブロックは経営体ですから、国と違って破綻、デフォルトすることもあるでしょうから、経営体として民も含めて、資源の有効利用ということを徹底的に考えていかないと日本の将来は無いと私は思います。
その方向で積極的に議論を行っていきたい、このことは省内でも申し上げています。

(問)羽田空港についてですが、今後、発着回数を増やしていく中で、去年造ったD滑走路だけでは足りないという話も出てくるのではないかと思いますが、更なる滑走路の拡充について大臣はどのようにお考えですか。
(答)今のところは、D滑走路が出来たばかりで、非常に好評のようです。
今御指摘の事は、やがて需要がどんどん増えていってというお話であろうと思います。
需要の動向などを見極めつつ、議論は行っていかなければならないと思います。
5年先になるのか10年先になるのか分かりませんが、早くそういう状況、このままでは保たないというくらいになれば、それは取りも直さず目指していた国際空港の機能が出来たということになるのだろうと思います。

(問)東北地方における高速道路の無料化が3次補正で計上されましたが、改めてそれについての思いなどがありましたらお願いします。
(答)東北の復興は、いよいよ3次補正で具体的に動き出すわけです。
当然、相当の経済、社会活動は、今と比較にならない程出てくるわけですから、東北3県の高速道路の無料化ということは、私は大きく役に立つと思います。これは是非進めさせていただきますし、東北は一体ですから、東北の山形県であったり新潟県であったり秋田県であったり、そういった所には、随分と避難をされている方々がおられますので、そういった方々の行き来、そして、週末を利用しての観光客ということも含めて、週末は東北全体に来れるようにしていきたいと思います。

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