大臣会見

大畠大臣会見要旨

2011年7月15日(金) 10:02 ~ 10:14
国土交通省会見室
大畠章宏 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議後の記者会見を始めさせていただきます。
今日の閣議では、特に私の方から国土交通省関係で御報告すべき案件はございません。

質疑応答

(問)一昨日、菅総理が記者会見を行いまして、脱原発という形で原子力に依存しない社会を目指すということを表明されました。
この発言については、非常に反響が大きくて、発言を支持する意見ももちろんあるんですけれども、一方では、党内それから政府内で、あまりにも民主的な手続を欠いた一方的な意見表明ではないかというような指摘もあるわけです。
この問題について大臣がどのように受け止められたかお伺いします。
(答)エネルギー政策というものは国民生活にも、また経済にも大きな影響を与えるものであります。
特に、福島の原子力発電所の事故以来、東京電力あるいは東北電力の管内でも電力不足という状況に至っております。
福島の原子力発電所の事故に関しては、今、関係者の皆さんが日夜全力で懸命な対応をしていただいております。
第1ステップが7月17日までということで、何とかこの第1ステップをクリアしたいということで取り組んでいただいているところでございます。
確かに、原子力発電というものに対して、国民の皆さんに大きな不信という形で広がったことも事実だろうと思います。
そのような状況の中で、この原子力発電所の事故についての原因究明も同時並行的に進んでおりまして、1日も早い原子力発電所事故の収束ということを私も期待しているところでございます。
以前皆さんに申し上げたと思いますが、これまでも日本は大変危機的な状況がたくさんありましたが、みんなで力を合わせて乗り越えてきましたので、必ずやこの原子力発電所の事故という甚大な被害をもたらしている事故についても、総力を挙げて、みんなの英知を結集して、アメリカやフランス等、世界からの支援も受けておりますので、なんとか克服することができると信じているところであります。
このような状況を踏まえて、総理が記者会見をされました。このことについては、私もいろいろ伺っているわけでありますが、党の政策調査会等には関係する議員もたくさんおられますし、エネルギー政策についてずっと取り組んできた方々もおられますが、そうした政策調査会としての一つの結論を踏まえてのものというよりも、どちらかと言うと、総理の個人的な考え方をまとめて述べられたのではないかと、そのように私も受けとめております。
このことについては、官房長官も、遠い将来の希望という総理の思いを語ったのではないか、というお話をされておられますし、また政調会長等々からもいろいろなコメントが出されておりまして、一つの考え方を示されたものと受け止めております。
私ども国土交通省としても、エネルギーというものは大変大事な要素でありまして、経済界からも電力不足をどのように克服するのかという道筋を示して欲しいという御要請を頂いていることも承知しております。
これから7月、8月、9月と大変暑い時期を迎えておりますので、今政府が行うべきことは、もちろん原子力発電所事故の収束ということを最優先に位置付けて、今取り組んでいる最中でございますが、同時並行的にエネルギーの確保ということ、体制を整えてエネルギー供給をしっかりと行い、国民の皆さんの不安を払拭することも必要であり、また、経済界の皆さんが要請をしていることに応えるためにも、エネルギーの供給という道筋を政府としても示すことが必要だと思います。
国土交通大臣としては、鉄道、自動車、船、飛行機もすべてエネルギーをベースに動いているわけですから、経済産業省等々の御協力も頂きながら、日本に必要なエネルギーの確保に向けて出来る限り努力をしたいと感じているところでございます。

(問)昨日、高速道路のあり方に関する検討有識者委員会から、東日本大震災を踏まえる形での緊急提言が提出されました。
これを受けて、国土交通省としての今後の対応についてお尋ねいたします。
(答)高速道路のあり方検討有識者委員会の方から、東日本大震災を踏まえた緊急提言をいただきました。この中にいくつかの大事な要素が入っております。
一つは、被災地の早期復興のための復興高速道路として、三陸沿岸道路の計画の前倒しや整備のスピードアップ、それから広域的な幹線道路ネットワークについては緊急性の高い箇所から重点的に強化をすること、それから太平洋側と日本海側を結ぶネットワークの強化という三つの柱が提言されております。
国土交通省としても、この提言を踏まえて、第3次補正予算の中にしっかりと織り込んで、速やかに実現できるように努めてまいりたいと考えております。
なお、三陸沿岸道路の計画については、何とか一つの基本的な考え方を8月いっぱいまでにまとめたいと思っておりまして、来週くらいに私も現地に入り、復興高速道路としての位置付けの三陸沿岸道路の計画に関して現地調査をさせていただきたいと思います。
非常に重要な提言を頂きましたので、これらを踏まえて、第3次補正予算にしっかりと組み込んで、その実現に向けて取り組んでいきたいと考えているところであります。

(問)話題が変わるのですが、久しぶりに明るいニュースとして、なでしこJAPANが女子ワールドカップの決勝に進出しましたけれども、大臣としてどのようにお感じでしょうか。
(答)私も大変気になっておりましたが、朝5時半頃だったでしょうか、なでしこJAPANが勝ったというニュースを聞きました。
「なでしこ」という名前はどちらかというと力強いというイメージではないのですが、「なでしこ」というもののイメージが大きく変わり始めたと、「強靱ななでしこ」という感じが致しまして、あの精神力で素晴らしいプレーが展開されました。
これから米国と決勝戦ということですが、私も試合の緊張感というものは剣道の試合等で学生時代に感じたところであります。選手の話を伺いますと通常から練習を沢山積んでいるのでいつも通りできたと、ゴールした瞬間等はよく覚えていないということですが、大体スポーツというのはそういうことでありまして、常日頃から練習を積んでいれば自然と体が動いて勝利するということにもなると思います。
堂々の試合展開をして、どちらかというと皆さん、東日本大震災で暗い状況が続いておりましたから、是非日本国民に明るい話題を提供していただけますように、私も心から応援をしていきたいと感じているところであります。

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