大臣会見

大畠大臣会見要旨

2011年7月12日(火) 10:11 ~ 10:35
国土交通省会見室
大畠章宏 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議後の記者会見を始めさせていただきます。
本日の閣議では国土交通省関係で御報告すべき案件はございませんが、冒頭に私の方から1点御報告させていただきます。
国内旅行振興キャンペーンについてでございます。
現在、東日本大震災の影響等によりまして、国内旅行が非常に落ち込んでいるのが現状でございます。
そういうことから、観光庁の呼びかけのもと、「がんばろう!日本」という共通ロゴを使用して4月21日から官民合同による国内旅行振興キャンペーンを実施してまいりました。
徐々に回復はしているわけですが、これから夏休みという本格的な日本の旅行シーズンを迎えるに当たり、明日13日から官民合同によるキャンペーンの大幅拡充をすることとし、このようなポスターを使用させていただきたいと思います。
このポスターを全国の鉄道の駅、あるいは鉄道の車内にも貼らせていただきますが、空港、新聞広告にも出させていただきますし、またインターネットによる取組も充実させていきたいと思います。
是非、今年の夏は旅行に出かけていただきますようにお願いを申し上げます。
3月11日以来、何かと自粛ムードということがございましたけれども、全国の皆さんから被災地をなんとか応援したいというお気持ちを持って募金等でも大変な御支援をいただいております。
そういうことを含めて被災地を応援したいというお気持ちがあれば、是非被災地等も含めて旅行をしていただいて、温泉地、観光地の受け入れ状況は万端を整えておりますので、大いに夏を楽しんでいただくと同時に、被災地の応援、そしてまた被災地域の経済の底上げのためにも御協力を頂きたいと思います。
世界的にも日本に対する現状の理解が徐々に広がってまいりまして、外国のお客さんも日本を訪れるという状況も回復をし始めております。
韓国の観光大臣も今週末、日本を訪れるということでございます。
平昌での2018年冬季オリンピック開催が決まりまして、韓国の方でも大変喜んでいるわけでありますが、この平昌における冬季オリンピック等についても私たちも大いに応援をしたいと、そして韓国と日本の観光交流と言いますか、国民の方々の交流を通じて、日本と韓国双方の理解を深めて、そしてまた、双方の国の地域経済を底上げするということにもつなげていきたいと思いますので、是非皆様方にも御理解を賜りたいと思います。
冒頭の私の報告は以上です。

質疑応答

(問)東日本大震災から昨日で4か月経過しました。
被災地の復旧・復興の現状についての評価、それと特に国土交通省の関連分野について、どの分野が進んでいて、どの分野が遅れているのかという評価、もし遅れているとするならばその理由と今後の対応策を聞かせてください。
(答)今、御質問いただきましたように、昨日でまる4か月が経過いたしました。
3月11日に東日本大震災が発生し、日に日に被害の状況が明らかになるにつれて、阪神淡路大震災のときもそうでありますが、その被害の大きさに息をのむような感じで災害対策本部に詰めさせていただいたところであります。
そういう状況の中で、東北地方整備局、あるいは東北運輸局を中心として、現地の国土交通省の職員の皆さんが自ら被災しながらも、国土交通省の職員としての使命を十分に認識して行動していただきました。
まずは道路を通れるようにしようと、東京から、あるいは全国からの支援隊が被災地に入れるようにしようと、懸命な緊急対策をしていただきました。
当初の目標を一つ一つ突破していただいたところであります。
もちろん鉄道関係者も頑張っていただきまして、皆さんも記憶にあると思いますが、ガソリンが足りないので、何とかタンク車を通そうということで、今まであまり通ったことがないような路線も含めて、一所懸命に線路を回復しながら被災地に向けてのガソリン輸送の道を拓きました。
高速道路の修理につきましても、3月11日に被災して以降、早急に道路を通れるようにしていただきました。
また空港の整備もそうでありますし、港湾の整備も一所懸命取り組んでいただきました。
そのようなことから、3月11日に被災して以降、大変な努力をしていただいて、緊急対策という意味では大変成果をあげたと考えております。
しかし、亡くなった方々、行方不明の方々の全貌も徐々に明らかになってまいりまして、7月11日現在では亡くなった方が15,550人、行方不明の方が5,344人、合計20,894人の方が行方不明・亡くなられた方の合計値となっています。
大変な数の方々が被災したわけでありまして、私ども国土交通省としては、国民の命と暮らしを守ろう、これが国土交通省の旗印ということでスタートしたわけでありますが、大変申し訳なく感じているところであります。
そういうことで、スタート時点では一所懸命頑張りましたが、その後は厚生労働省の所管ではありますが、仮設住宅の建設が急がれました。
私も被災地の方々の状況を視察しまして、1日も早く避難所での生活にピリオドを打って、仮設住宅等に入っていただいて、そして現実の状況の中でどう明日を築いていくかということを安心して検討することができる場として仮設住宅の建設を急いでまいったところであります。
仮設住宅の建設につきましては、11日現在でございますけれども、発注の見込みが立った戸数が49,397戸、着工済み戸数が47,553戸、完成戸数が37,962戸という状況でございまして、11日現在で発注の見込みが立った49,397戸については、おおよそ1か月後には完成するものと考えております。
ただ、分母が50,583戸でありますから、まだ差があるわけであります。
確か2市1町だったと思いますが、そこでまだ用地の確保のめどが立っていないというところもございますが、そこについても、地域の方々、避難者の方々のお話を聞きながら、避難者の方々の希望に添う形で造っていきたいということで、外国から輸入する2階建ての仮設住宅、あるいはその地域内でなんとか土地を確保して行うという見込みを付けております。
現在、報告を受けておりますのは、8月末、あるいは9月まで掛かってしまうということでありますが、総理がお話されておりますように、お盆の頃までには、希望される方が全員仮設住宅に入居できるように、最後の御努力をお願いしたいということで、今いろいろと自治体の方々ともお話をしているところであります。
仮設住宅についても、いろいろお叱りをいただきながらも、ここまで歩んでまいりました。
後、私が気になっているのはがれき処理でありまして、これは環境省の所管でありますが、どの省が担当しようとも、これから復旧・復興をするためには、がれき処理を急がなければなりません。
そういったことから、昨日、私も委員会がなければ現地に入る予定をしておりましたが、代わりに三井副大臣に行っていただきました。
環境省の近藤副大臣、それから農林水産省の筒井副大臣、3人揃って現地に入っていただきました。
がれき処理がなぜなかなか進まないのかということを、現地で、関係3省の担当者が一堂に会して現地の方々ともお話をさせていただきまして、対策について協議をしてきたところでございます。
そういった状況の中で、がれき処理についても是非なんらかの目途をつけたいと考えております。
今後のことでございますけれども、復興対策本部が政府に立ち上がりました。
私ども国土交通省としても、復興対策本部をつくり、今関係者の方々からもお話を伺いながら、基本的な考え方をまとめつつあるところでありまして、津波防災に強い、いわゆる津波や災害に強いまちづくりを進めようということで、不十分なところについては新しい法律をつくって、農林水産省など関係省庁と共に、これらの法律の準備を始めたところであります。
それから恒久的な住宅を含めた、いわゆる災害住宅、公共の住宅も建設を急がなければなりません。
それから鉄道の復旧も急いで行わなければなりませんので、鉄道の復旧についても取り組んでいきたいと思いますし、道路についても、応急的な対策はほぼ終えておりますが、詳細なところがいくつかありますので、道路についても行っていかなければなりません。
それから三陸沿岸部における道路の新設についても、いろいろ要請をいただいておりますので、この道路についても、第3次補正予算等に計上して進めていきたいと考えております。
4か月が経過しましたが、こういった事をもっと早く行っておけば良かったということもございますが、概ね6万人の国土交通省の職員の皆さんも、懸命な努力をしていただいてここまで行ってきました。
ただ、先ほど言いましたように、避難所で生活されている方が、6月30日現在で、避難所・公民館・学校等に24,182名いらっしゃいます。
旅館・ホテル関係には25,273名、親戚・知人等の御自宅に滞在されている方が19,361名、公営住宅・仮設住宅・民間賃貸住宅・病院等に入っておられる方が30,420名という状況にあるわけでして、この方々のためにもさらに一層努力していかなければと考えているところであります。
以上、4か月が経過しまして、現在の状況について御報告を申し上げました。
国土交通省としてはさらに一層力を合わせて、被災地の復旧・復興、そして被災者の方々のために全員心を合わせて取り組んでいきたいと考えているところです。

(問)大臣が先ほどお触れになった話の中で一つ、がれき処理の問題ですが、是非何らかの目途をつけたいということを大臣はお話になられましたが、まさに処理が急がれる現状なのですが、どういった形で目途をつけたいとお考えになっているのか、現状でお話いただける程度で何かお気持ちがあればお願いします。
(答)私も現地に入りまして、町の中のがれきがまだ処理されていないというお叱りをいただきました。
それから、過日、日本医師会の原中会長から、避難所における蠅、蚊対策をしてほしいと、大変な状況にあるというお叱りもいただいたところであります。
そういう諸々を考えますと、がれき処理が遅れていることから様々な住環境の悪化ということがございますので、これの処理を急がなければという思いを持ちました。
そういうことから、昨日、3副大臣が揃って現地に入っていただき、問題点を洗っていただいたということであります。
今週中に3副大臣の方にも報告をいただき、これは環境省の所管でありますから環境省を中心としてそれぞれがどのようなことを行うべきなのか検討したいと思います。
特に、がれき処理に関する法律案が自民党、公明党から提出されております。
政府の方もがれき処理に関しての法律を準備しました。
したがって、これについては与党・野党の枠を乗り越えて、被災地、あるいは被災者のために何をするべきかということに注視して前に進めなければなりません。
特に地方自治体の1割負担ということが非常に重荷になっているという話を内外からも聞いております。
政府案、それから自公案等でもそこのところが大きな注目点でございますが、ここについては、政府案も最終的には国が予算の対応をするということですから、結果的にがれき処理については、国が直接行う分については100%行うということになりますので、その辺りを是非与野党間で話をしていただいて合意を得て、早急にがれき処理に関する法律案が成立をするという背景を持って、一気にがれき処理が進むような体制を整えることができるように、国土交通省としても環境省を中心に取り組んでいきたいと考えているところであります。

(問)ブラジルの高速鉄道についてですが、入札が不調に終わって入札の方式が変わることになったのですけれども、これについて国土交通省としてどのように対応されるかお願いします。
(答)ブラジル政府は、日本の進んだ高速鉄道の技術を導入したいという希望が大変強いというお話は伺っております。
したがって、日本としてもブラジルにおける高速鉄道事業の入札に応じたいと思いますが、条件があまりにも厳しすぎて、民間企業としては入札に応じる状況にないという判断から入札に応じなかったということであります。
今聞いているのは、世界の中で入札に応じた国はないということから見ても、ブラジル政府の入札条件があまりにも厳しすぎるのではないかと受け止めておりますので、民間企業からいろいろなお話を伺いながら、こういう条件であれば日本の企業が入札に応じることができると、逆にそういう条件を整理してブラジル政府にお伝えしてはどうかという考えを持っております。
冒頭に申し上げましたようにブラジル政府が日本の進んだ鉄道技術を導入したいというお気持ちが強いということを聞いておりますから、それであれば、こういう入札条件にしてはどうですかということを逆にこちらから提示してあげて、ブラジル政府とお話をして、日本の企業も応札できるような環境を作ることができるように国土交通省としては努力をしたいと考えているところであります。

ページの先頭に戻る