大臣会見

金子大臣会見要旨

2009年9月1日(火) 11:03 ~ 11:23
国土交通省会見室
金子 一義 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議では、我が省に関係するものはありませんでした。防災の日であり「首都直下地震」を想定致しました訓練の一環として、閣議前に関係閣僚協議及び平成21年第1回東京湾北部地震緊急災害対策本部会議が開催されましたので出席をしました。私からは以上です。

質疑応答

(問)衆院選ですが、自民・公明にとって大変厳しい結果になりましたが、閣僚の一員としての選挙総括、受け止めをお願いします。
(答)小選挙区というのはこういう性格を持つ選挙制度だと思います。前回、前々回が郵政民営化、今回は政権交代と、どちらかと言えば1つの項目で大きな観衆を寄せるという意味合いが非常に強かったのではと思います。今回は自民党・公明党が大敗しましたから、これをきちっと受け止めていきたいと思います。
 
(問)自民党は今後の立て直しに非常に大きな課題を背負われたと思いますが、今後の党運営について期待はありますか。
(答)来年の参議院選に向けて立て直しを図っていきたいと思います。これからマニフェストで書かれた政策というものを巡っていよいよ議論する場が局面として出てきたのかなと。政権交代という1つの目的は終わってしまいましたから局面が大きく変わる。今までとは違う新しい局面の中での議論になってきますから色々な問題が出てくると思います。
 
(問)国交省の行政としてもマニフェスト通りに相当な転換を迫られるような状況にありますが、これについてはどうですか。
(答)これは新しい政権の中でお考え頂くことですから私からコメントする立場にはありません。
 
(問)民主党の掲げているマニフェストの中で八ッ場ダムがありますが、八ッ場ダムの入札の時期が丁度政権交代の時期と重なる訳ですが、それについてはどのような方針を考えていますか。
(答)昨日、事務次官会見で話題になったと伺っています。事務方が今いろいろと検討されていることだと思います。
 
(問)八ッ場ダムの建設については民主党は建設を中止するということをマニフェストで掲げておりますが、そもそも建設中止がこの段階まで来ているダムの事業について出来るのかどうかという点については大臣としてはどのようにお考えですか。
(答)私自身どの段階まで進んでいるかということもさることながら、一方で50年、100年の単位で見ると集中的に雨が降る年、極端に降らない年など非常に振幅が大きくなってきている。年々地球温暖化の現象でその幅が広がってきている。2、3年前に起きたオーストラリアの100年に一度の干ばつ、雨が降らないという状況でしたが、決して人ごとではないと思っています。モンゴルが普通4月5月位で黄砂は終わるのですが、ここ2、3年、6月7月まで黄砂が続く、今年はまだ続いているらしいですが、草が生えて羊が食べる、黄砂がずっと降り続くので草が生えなくなり、雨が足りなくて羊が飼えないという状況。これが内モンゴルで起きている現象。そういったことを考えていくと、やはり50年、100年単位で大事な水がめ、或いは治水という意味で八ッ場ダムの必要性を捉えて、後の国土交通大臣も考えて頂きたいと思っています。
 
(問)世界的な環境の変化も大きなファクトだと思いますが、八ッ場ダムについては水没する地域の住民は既に移転をしている方もいる中で、実際中止が出来るのかどうかというのはどうでしょうか。
(答)地元の方は是非やって頂きたいということで予定されているのではないでしょうか。そういう意味では地元の意見も十分聞いて頂きたいと思います。
 
(問)今度、自民党は野党として民主党と対峙されていくことになると思うのですが、大臣も含め政策の手の内をよく知り尽くしている立場として、今後民主党と国会等でどのように対峙されていこうとお考えでしょうか。
(答)やはり政策を1つ1つ、相互に1つの政策の中に矛盾を含んでいる、相反するものを含んでいるものがありますよね。最低賃金千円、いいんだけど、私の地元の中小企業はそれでは38円まで行きますという話になりますよ。つまり雇用の確保の場というのは本当に大丈夫かと。中小企業は今苦しんでますよね。こういうのが良い側面と、我が国経済にとって維持していかないと逆に職を失うという、今一番失業が重い状況ですから、本当に最低賃金引き上げをどう出されるのか。しかし一方でマニフェストに出されていると、そういうものをどのように扱っていくのか。これは1つ1つが綱渡りなんじゃないですかね。
 
(問)その辺りを国会等でも突いていこうというお考えでしょうか。
(答)来年度予算編成が大きな山になるんじゃないですか。税制改正も含めて。来年参議院選挙が1つの大きな節目だと思っていますから。節目にしたいと思っていますから。
 
(問)以前の会見の時に、解散の時期については自民党が絶対勝てる局面もあったと仰っていたと思うのですが、今振り返ってもっと早く解散してたら違う結果が出ていたと思われますか。
(答)もうそれは言わない。終わったことを言っても仕様がない。
 
(問)昨日、麻生総裁が辞任を表明されましたが、今後の総裁選について大臣ご自身でどなたか適任の方がいるとか、こういった人物が良いとか、そういったお考えはあるでしょうか。
(答)頭の中には幾つもあるのですけど、みんなとこれから相談して、未だ皆さん状況知ってませんから。一人歩きしない方が良いと思います。
 
(問)総裁選の時期についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)慌てる必要はないと思っているので、そこは麻生さんと一緒なんですけどね。むしろ組閣が終わってからやっても良いと思っています。国民は今組閣の方が一生懸命ですから。党の総裁選びで慌ててやらなくてもいいんだと思っています。違う見方をする人もいるかもしれません。
 
(問)衆院選の結果、政権交代が決まった訳ですが、とりあえず新政権が誕生するまでは大臣は大臣です。こういう言い方が適切かどうか分かりませんが、移行期間の大臣として例えば民主党が見直しをすると言っている補正予算に盛り込まれた事業であるとか、質問があった八ッ場ダムの入札手続きであるとか、そういったものを政権が誕生するまで大臣として事業を中断するとか、執行を取り止めるとか、そういうお考えはあるのでしょうか。
(答)移行云々は政府全体の話でしょうね。国土交通省だけではない。ですから、そこは今事務方がさっきの八ッ場については対応を検討されているようですから、検討を見守った方が良いと思っています。
 
(問)そうすると新政権が誕生するまでは決められた事業を粛々とやっていくということですか。
(答)それも含めて今検討していると思っています。
 
(問)今回の結果で自民党の大敗の原因ということで、冒頭に選挙の制度のご説明がありましたけれども、ご自身が選挙を戦い終えて肌感覚として何故これ程の結果が出たのかということをどのように感じてますか。
(答)一言で言えば自民党に対して、或いは自民、公明に対して不満のマグマが溜まってきた。もっと冷静に分析すればいろいろあるんだと思いますけど。一言それに尽きるんじゃないですかね。
 
(問)個別のダムの話が今出ましたけれども、民主党政権になってからの国土交通省全体の影響をどのように感じていらっしゃいますか。新しい局面になることで全体的にどういう問題が出て来ると認識されてますか。
(答)政権運営をこれからどういう方向に新政権が新内閣としてやろうとしているのか、それが必ずしもはっきりしませんけれども。今我々がやってきたことは経済を成長させるということ、失業を減らすという目的、そのためにやってきました。必要な公共事業或いは住宅というものについて、新幹線もそうですが、100年に一遍の経済不況ですから国際競争力を作るためのもの、或いは地方については90%地方の財源を負担するということをやって内需を盛り上げるという、そういう方向をやって来ましたけれども新政権がそういう方向というのを全く変えるのかどうか、それによってスタンスが変わってしまうと思います。
 
(問)日本航空が有識者会議以降かなり大胆に政策を打ち出して来て、先週末の金曜日に部門統合やリストラを発表しましたが、まずこれをどう評価しますか。
(答)7月18日から選挙に入り浸りなもので今の日本航空のリストラの状況、ごく最近どういう動きをされているのか、申し訳ありませんがわかりませんのでわからないことは迂闊に言わないほうが良いと思います。
 
(問)今回金融機関等に国土交通省として、また大臣としてコミットメントがあると思いますが、これは今後どういう形でそれがいきてくるのでしょうか。
(答)前回会見で言わせて頂いたことを繰り返すことになりますが、民間金融機関に理解されるリストラ、支援が要りますからそれをやって頂くというのが、しかも早急に出して頂くというのが大事なことだと。前回申し上げたことの繰り返しなので、その後どういう反応をされているのかちょっとわかりませんのでそれ以上のことは申し上げられません。
 
(問)自民党への不満のマグマが貯まっていたとのことですが、具体的に自民党のどういう所に不満が貯まっていたとご覧になっていますか。
(答)色々なことがありますよね。例えば、中福祉・中負担と言いながら医療費の抑制と、中負担の名に値する医療の提供体制がとれていたのか、一つずつ挙げればきりがありませんが産婦人科医、小児科医、それから僻地の医療、診療体制の不足、これも多くの国民にとってみると財政抑制と、この抑制って毎年すごい勢いで医療費が膨らんでいきましたから、その膨らみを一生懸命抑えようとしてきた、削減した訳ではありませんが医師不足、緊急医療体制が、たらい回しという状況が出ましたよね。もう一つの大きなテーマは失業率の増大です。世界各国失業が多い時はマグマが貯まります。我が国も例外ではない。
 
(問)例えば医療にしても失業もそうですが政策の部分が大きくて、民主党はやはり政官業の癒着みたいな体質的な部分も攻撃してきた訳ですが、その辺に対する反省はありますか。
(答)政官業の癒着か。古い言葉使うね。今そんなものないんじゃないの。脱官僚とは言うけれども自民党って今脱官僚になっているんじゃないの。政治主導になっているでしょう。そうじゃなければ高速道路1000円なんてできないでしょう。
 
 

ページの先頭に戻る