大臣会見

金子大臣会見要旨

2009年7月28日(火) 11:00 ~ 11:18
国土交通省会見室
金子 一義 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議では、当省に関係するものはありませんでした。閣議案件以外で2件ご報告があります。1件目は、事業執行を見合わせておりました直轄国道の18事業、最後に残りました岩手県の案件でありますが、一般国道106号都南川目道路でございます。これは2度事業評価監視委員会で審議してもらいました。結果として、4車線から2車線に車線数を変更しコスト削減を図った上で、事業を継続するということで決定をさせて頂きました。事業評価監視委員会の当初の意見は当初通り4車線で事業をすべきではないかというご意見がありましたが、通行量等々含めて2車線にするということで、事業評価監視委員会も2度目の委員会ではそういうまとめをして頂きました。ここは3便益だけでいいのかと事業評価監視委員会の方から逆に提案があったというケースでありました。2件目は、本日の閣議で、独立行政法人海上災害防止センターの理事長に、同センター理事冨賀見栄一氏、海上保安庁の警備救難監を経歴されまして現在同センターの理事をされている方でありますが、本日の閣議で同センターの理事長に任命することについて、ご了解を頂きました。今から資料を配付させて頂きます。それから閣議前に第5回緊急雇用・経済対策実施本部会合が開催されましたので、出席をさせて頂きました。各大臣から各省庁部分について現在の取組み状況、或いはどういう成果が出ているかということについて報告がありました。私からは、住宅金融支援機構のフラット35の申請が、この5月、6月対前年度同月比で増えて来ているということ、それから公共投資につきまして、この4月、5月で公共事業の受注額でありますが、これも前年同月比2割増えて来ていると。これは国の割合が5割ぐらい増えていますが、地方自治体が今県議会が終わったばかりでまだ発注が十分進んでおりません。これはこれから出て来ますが、発注額は国、県併せて2割上がってきていると状況を報告させて頂きました。フラット35は6月で見ますと対前年度同月比で40%増、1.4倍です。私からは以上です。

質疑応答

(問)民主党の鳩山代表が衆院選のマニフェストを発表しましたが、その中で国交省関係で言うと、高速道路の無料化、一般財源化したとはいえ暫定税率の廃止、八ッ場ダムや川辺川ダム等の中止を含めた大型公共事業の見直し等が盛り込まれましたが、この民主党のマニフェストについてどのようにご覧になりますか。
(答)高速道路の無料化は首都高の分も含めてですが毎年2兆6千億円、毎年毎年予算計上していかないと無料化になりません。暫定税率廃止論ですがこれも2.6兆円掛かります。これで5.2兆円。今道路財源は2.6兆円ですが、無料化或いは暫定税率の廃止によって道路関係予算というのは3倍になると、入りと出は違いこそあれ道路財源一般化、教育や福祉に道路財源を回せと言いながら一方で道路関係3倍の予算を必要とすると、どこから捻出するのだろうか。たぶん公共事業でしょう。2兆6千億円の半分にしても1兆3千億円しか出てきませんが、地方の公共事業、先程岩手県の最後の18路線目の事業継続と申し上げましたが、地方の道路は相当ブレーキを掛けるというようなことが許されるのだろうか。地方にお住まいの皆様方はそれで本当に耐えられるのだろうかと思います。八ッ場ダムですが、私は2週間前に瀬戸内海に浮かぶ小豆島に行きました。小豆島は水貯め、農業用水、貯水池、飲み水も含めてですが、雨の降らない小豆島ですからそこに水を貯めておく必要がある。今小さなダム或いは用水池といっていいようなものを造っていますが、お醤油屋さんが20軒小豆島にあります。小豆島、瀬戸内海は雨が降らないものですから水飢饉で大変です。オリーブ特区といってオリーブをどんどん植えて貰って、今高級オリーブでバージンオイルですとかサラダオイル等非常に高級品で小豆島は元気になっています。水が足らない。このダム、農業用或いはお醤油を造るダムに対して民主党は反対している。鳩山由紀夫さんが反対している。何で反対しているのか。大学時代の先生が反対してくれと言うから反対している。現地でそんな話を伺いました。本当に地域のことを考えてくれているのかと。ダムが無駄だ、だけで済むのかと。八ッ場ダムについても一都五県の大変な大事な水瓶です。今回のように九州、山口集中豪雨がありました。こういうときに治水のことを本当に考えなくていいのか。ゲリラ豪雨が一方で起こる反面、大変な大渇水も一方で起こってくる、これが今の気象温暖化、地球温暖化の影響です。極端に雨が降る、ゲリラ的に降る、一方で全く雨が降らない、数年前のオーストラリアが100年ぶりの渇水に見舞われて小麦の生産が30%に落ちましたけど、これはオーストラリアも日本も他人事じゃない。そういう状況のときにやはり必要な水を貯めておく、あるいは災害を防止しておくという八ッ場ダムの必要性というもの、ダムは無駄それだけで本当に辞めてしまっていいのかと思います。必ず造れるように私は尽力をしていきたいと思っております。以上です。

(問)すいません。今の発言で一点確認なんですけど、必ず造れるように尽力していくというのは八ッ場ダムと川辺川ダムも含めてですか。
(答)川辺川ダムは、幸いなことに県と地元市あるいは住民の皆さんとどうするかということについて協議会を設けていただいております。県が提出した資料に基づいて、ダムが必要なのか、或いは今の川を堰堤を高くする、引き堤を造るといったものも含めて治水対策でいく。どちらでいったらどの程度の効果があるだろうかということを協議をしてもらっております。何回か既に協議をしていただいて、地域の皆様方に非常に議論していただいてる渦中だと思っております。そういう意味でこれは地方自治体の今の動きに任せたらいいんだと思っております。国が余計なことを言わない。地方分権と言いながら国でやめろなんてそんな話はないでしょう。

(問)大臣すいません。独法人事の関係なんですけど、住宅金融支援機構の副理事長に
次官OBが就任されるという報道が今日あったんですけど、大臣の決定事項ではないと思いますが報告は受けてらっしゃいますでしょうか。
(答)受けました。今朝。

(問)選挙戦では天下り批判の矛先が向く恐れがあると思いますが所感如何ですか。
(答)理事長が是非副理事長に峰久さんを迎えたいというお話で進んできた話だと聞いております。天下りとか斡旋とかの類の話ではないと思っております。

(問)民主党が道路建設の考え方について「地方に委ねられるものは地方に委ねていきたい」ということを昨日マニフェストを発表した際に言っているんですが、それについてのお考えをお聞かせください。
(答)かなり地方に委ねているんですよね。現状でも。例えば、四国瀬戸大橋を渡って松山に行って、四国の瀬戸内海側を回っている高速道路、これは台数も非常に多いものですから、4車線化を候補として挙げたんですよ。議論してもらったんです。そうしましたら、地元の知事がむしろ4車線化するよりは、宇和島からむしろ九州側、宇和島からずっと高知の方に行く四国全体の8の字高速道路という方向で、むしろ4車線化をやるよりは2車線でいいからもっと高知県側、四万十川の方に事業を進めて欲しいというご意見がありました。地方自治体のご意見をかなり尊重しながらそういう事業化というのも進めるということでありますので、幹線の部分についてかなり地方自治体にお任せして協議をしながら現状でもやっているんだと思います。

(問)新幹線について民主党がマニフェストの中で、あまり角度が付いてないというかはっきりした方針を打ち出していなくて地元にはどうなんだという動きもあるようなんですが、どのようにお考えになりますか。
(答)ごめんなさい。民主党のマニフェストの新幹線の部分を伺っていないんですが、鳩山代表は是非やりたいんでしょうね、北海道。他の皆さんどう考えているのか分かりません。

(問)凍結国道の関係なんですが、最終的に今回最後の残っていた1事業が再開ということで、17事業については再開ということになりましたが、総括されてご所見をお願いします。
(答)ある意味道路一般財源化の検証が出て来たんだと思っています。B/Cという事業評価、数値で一応検証してみて、再検討してみて、そして採算の悪い所は一応チェックをする。そして今度は、今の数字の上での採算だけでない要因が本当にあるのかどうかという再検討をやった。これはこれからも地方に行きますとそうですが、何故必要なのかということについて住民の皆様はどう考えているのか、地方自治体の皆様はどう考えているのか、それはそれぞれ防災もあり、子供が学校に通う道でもあり、或いは命の道という病院に行く道でもある。それぞれやはり数値上だけでは現れない部分というものを、もう一遍住民も参加してもらって、地方自治体にも参加してもらって、或いは第三者、事業評価委員会にも参加してもらって改めて検討してもらう。道路一般財源化を踏まえ無駄なものは作らないということの1つの実証、ステップとして意味があったんだと思います。まだまだ十分だとは思っていません。これは与野党問わず、これからもどのように考えていくのかということはやっていかなければならないと思っています。

ページの先頭に戻る