第5回中長期ビジョン策定検討小委員会:議事概要

第5回中長期ビジョン策定検討小委員会:議事概要

 6月5日10:00より国土交通省(2号館)11階土地・水資源局会議室において、第5回国土審議会土地政策分科会企画部会中長期ビジョン策定検討小委員会が開催された。議事の概要は以下の通り。
 
 
 ○事務局より、ニュータウン再生について説明が行われ、これをもとに議論が行われた。各委員から出された主な意見は以下のとおり。
   
 
 ◆現在ニュータウンに居住している高齢者を対象とした施策だけでなく、住替え支援の推進等、若い世代の流入を図る施策を進めなければ、ニュータウンの再生は難しいのではないか。
  
 ◆人口構成がいびつになっていることに対する対策と、街を維持していくための中長期的な対策に分けて考えることが必要ではないか。
  
 ◆長期的には、街として存在するのが困難なニュータウンと、維持できるニュータウンが区別されていくのではないか。
    
 ◆ニュータウン再生にとって主体が重要なことは分かるが、手段が乏しいのではないか。柔軟性を持った政策が必要である。
  
 ◆ニュータウン再生の技術的なパッケージは、今後アジア諸国でも必要とされるものであり、我が国の対外的なソフトパワーにもなり得る。また、内需を喚起し、経済の活性化に貢献する。このような意味合いを含めることが必要である。
 ◆ニュータウン再生の問題は、公的機関が関与した地域だけでなく、民間が開発した地域も含め、大都市近郊の住宅地域の問題として広く捉える必要がある。
  
 ◆ニュータウン再生においては、地域における雇用や社会参画の確保について考えることが重要である。
  
 ◆ニュータウン再生に当たっては、ソフト面の強化を含め、人的資源を活用して、産業をどのように回していくかなど、民間のビジネスとして成り立つ仕組みを考えていかないといけない。
   
 ◆街なかにしろ、郊外にしろ、街のコンパクト化が必要なのではないか。また、ニュータウン再生においては、今後、何が郊外のニュータウンの価値になるのか吟味する必要がある。10年後に価値がなくなるストックを再生しても意味がない。
  
 ◆住替え需要がなければ、ニュータウンの再生は難しい。賃貸だけでなく買替えも含め、住み替えを広く捉えることが必要である。例えば、子育て世代が購入できるように支援すべき。
    
 ◆効率性という観点から、街の存続の是非について議論するのは、いかがなものか。そこで生活している人々が豊かな生活をしていけるように考えるべきではないか。
    
 ◆ニュータウン再生について、社会実験的な手法はよい方法である。全国一律ではなく、地域に根ざしたところで政策を考えてほしい。
  
  
 ○事務局より、空き地・空き家等外部不経済対策について説明が行われ、これをもとに議論が行われた。各委員から出された主な意見は以下のとおり。
    
 ◆マクロ的な視点として、今後、土地に対する需要が減っていくなら、全体として需給のコントロールが必要となる。例えば、市街地の一部を森に戻していくことも考えられるだろう。
    
 ◆ミクロ的な視点として、潜在的な需要はあるが、何らかの制度上の問題があるため、需要が発揮されないということがある。住宅や農地の流動化に向けて、制度面の見直しが必要である。
    
 ◆空き家対策については、空き家を壊す費用に補助を出し、防災公園等にしていくなど、現場レベルでいろいろな取組がなされており、そのような取組を整理して、紹介していくことが必要である。
    
 ◆外部不経済の問題については、例えば、墓地の立地に一定の緑地を求めるなど、プラス・マイナスを相殺する仕組みを考えていくことが重要である。マイナスを完全になくすというのではなく、全体として相殺していく視点が必要である。

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