第2回広域自立・成長政策委員会 議事概要

第2回広域自立・成長政策委員会 議事概要

1.日時
  平成21年7月29日(水)15:30~17:30

2.場所
  国土交通省(中央合同庁舎2号館)低層棟共用会議室2AB

3.出席委員(敬称略)
  寺島委員長、青山、秋池、井熊、大谷、大西、大野、高木、櫻内、根本、松原、宮川

4.議事概要
(1)開会
(2)国土交通省挨拶
   中島局長より挨拶
(3)前回欠席委員紹介
(4)議事及び主な発言内容
 【議事1 地方から見た広域圏の成長の課題について】
(九州電力(株)相談役 鎌田迪貞氏、北海道国際航空(株)代表取締役副社長 小林茂氏より講演)
  ○鎌田氏より
   ・九州では、自動車、IC関連の産業が集積しており、関連する研究開発、人材育成などに地域で取り組んでいる。
   ・食品製造業と農業の振興によるフードアイランド、官民での九州一体観光の振興、環境関連ビジネスの集積、太陽電池など新産業の育成にも取り組んでいる。
   ・アジアとの交流が盛んで入国外国人や留学生といった人的な交流、貿易額が急増している。
   ・九州地域戦略会議は、「九州は一つ」の理念の下に、九州観光推進機構の設立、東九州自動車道の建設促進活動など様々な取組を行っている。
   ・ブロック発展のためには、域内をつなぐための交通インフラ整備が必要。また、地域の連携が不十分なため、ポテンシャルを発揮できない点があり、広域連携を強化していくことが重要。
  
○小林氏より
   ・北海道は、昔は全国でもトップテン並みの所得であったが、今や40位以下となっており、求人倍率も全国を大きく下回っている。
   ・北海道に関しては様々な誤解が浸透している。例えば、フロンティア精神あふれる北海道というのは昔の話で、今の道民は安定志向である。
   ・実際に住んでみると、住・食に関するコストは低く、ヒトは開放的であるなど魅力あふれる地域である。
   ・ある程度はインフラ整備が進んでいるが、それが十分に活かされていない。また、北海道の課題として、インフラや資源の不足だけでなく、問題を解決するための情報の不足が大きい。作ったビジョンと現実を埋めるための手法や情報を得ることが大事。
・将来的には、医薬品・医療機器といった次世代産業の集中、高品質の食糧基地、魅力を活かした東アジアのリゾートゾーンといった方向での成長が考えられる。

 【議事2 意見交換】
(広域連携について)
・地方分権で重要なのは基礎的自治体への権限の委譲。その後に広域にブロック化していくことが効率化や将来の戦略から正しいのではないか。
・九州では、九州地域戦略会議等を通じ、知事レベルでは九州が一体となって連携することの必要性が共有されているが、海外での観光PRなどの活動を見ると各県の予算を九州全体のために使うようになっていないのが現状。

(地域政策と技術政策について)
・地域政策と技術政策のタイアップが必要。何十年間でベンチャーブームが何回も起こっては消えているが日本が成長し続けているのは、既存の企業のなかで製品の構成に変化が起きてきているからである。このような動きをどのように地域でバックアップしていくかが重要。
・自動車のエンジンがHVやEVにシフトしているように、イノベーションを考えなければならない転換期にある。九州では下請けの部品メーカーがどのように対応するのか見えておらず、考えていかなければならない。

(グローバリゼーションについて)
・観光分野でのグローバリゼーションは活発。10年前は九州に行っていた中国・台湾等東アジアの人々が北海道に流れてきている。
・九州は台湾・韓国・中国と連携する土台がある。北海道は、ポテンシャルのある極東ロシアとの連携にもっと踏み込んでも良いのではないか。

(ブロック・地域間格差について)
・北海道の豊かな生活は本州からの財政支出に依存しており、自立という意味では非常に厳しい。第3次産業で北海道の質の良さを広げることが必要。
・ブロック内の格差を政策的にどのように考えていくか。これまでは、札幌や福岡・北九州が引っ張って、その成長拠点の効果を周辺に波及するような形だったがそれでよいのか。
・ブロックの格差について、九州は工業を中心とする北部と農業を中心とする南部で格差がある。半導体は九州一円に広がっていたが、北部に集中しつつある。南北の産業構造の違いを踏まえ、政策を立てていかないと、地域格差がなくならない。
・九州は求人倍率も低く若年労働者の雇用は非常に厳しいため、東京等への流出が見られる。留学生も同様に流出している。

(6)閉会

                                                             (速報のため、事後修正の可能性があります。)

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