計画推進部会(第3回)議事要旨

計画推進部会(第3回)議事要旨

1.日時
平成30年6月1日(金)16:00~18:00

2.場所
中央合同庁舎第2号館地下2階講堂

3.出席委員
奥野部会長、家田委員、大西委員、岡部委員、小田切委員、垣内委員、坂田委員、中出委員、宮本委員、望月委員

4.議事
(1)各専門委員会の審議状況に係る報告について
(2)その他

主な発言内容(委員発言順)
(1)開会挨拶
・審議会冒頭、国土政策局長よりあいさつ
(2)議題
事務局から「最近の国土をとりまく情勢について」を報告した後、稼げる国土専門委員会、住み続けられる国土専門委員会、国土管理専門委員会からこれまでの審議状況についての報告。その後、意見交換が行われた。各委員から出た意見は以下の通り。

<稼げる国土専門委員会について>
○ 歴史を変革するようなイノベーションは、政府にサポートされて創出されるものではなく、外から生まれるものであることから、そうしたものを取り入れるような荒療治の余地を残すことも、稼げる国土専門委員会の視点として挙げられる。
人口減少という大きな課題に対し、国の枠を超えるようなフレームで稼げる国土を論じるというようなダイナミックな発想を取り入れてほしい。
○ 報告・事例が詳細にまとめられており、知的対流拠点について、今までにはなかった形が明確に示された点は評価したい。今後、稼げる国土の観点からすると早めに成果も出ると考えられるため、こうした調査事例からどのような目に見える成果が認められたかをお示し頂けると参考になる。

<住み続けられる国土専門委員会について>
○ 関係人口は魅力的な概念。だが、用語としてややパッシブな印象がある。「関係させていこう」といった能動的な姿勢が込められた用語があると良いのではないか。
○ 関係人口については、模範となる地域を明らかにするため、ビックデータを活用するなど、「見える化」ができないか検討していただきたい。
○ 田園回帰に関連し、人口データの分析をする際は、転出・転入のネットの差だけでなく、出入の数字をしっかり見ていく必要がある。
○ 地方で、関係人口に該当する人が非常に増えてきたことを実感している。本来は都市が異種多様な人々の出会いの場であったが、逆に地方が出会いの場になったという印象もある。
○ 移住希望者の求める条件として、仕事があることと地域に魅力があることについて、どちらに優先順位があるのか。必要条件、十分条件なのか、気になるところ。報告書では両面が読めるような記述がある。
○ 大都市圏から地方への移住において、つながりサポート機能の充実は大変重要である。この20年で、移住者の定着に対するサポートは増えているが、公的手続きで重要となる身元保証という面ではまだ遅れている。地方から大都市に出るときは、企業への就職、大学への進学等、しっかりした受け入れ機関がある一方、都市部から地方に移住したときには、仕事探し、入院、住宅、施設に入る際などに必要となる保証人の手当が大きな障害になっていると聞く。そのため、I ターン、J ターン、U ターンなどに対する困りごとを網羅的に調査すると良い。
○ 人口減少をしている地域なのに、にぎやかな過疎が生まれているところがある。そこには、ローカルな知的対流拠点が生まれており、人口が減少しても、仕事が生まれていることが要因と思われる。そのため、人材に着目したプロセスが制度になりうるか、検討すると良い。

<国土管理専門委員会について>
○ 適切な管理を続けることが困難な土地への対応として、土地利用にはメンテナンスコストがかかることから、日本の自然環境を十分に活かした景観づくりはいい提案である。しかし、具体的に、どのような形で進めるべきか、例えば、一部の自然の保護についてはどのように整理していくのか、検討していただきたい。
○ 「小さな利益」への着目は有効である。右肩上がりの大きなビジョンではなく、小さな地域で営めることができる仕事もあると思う。地域が回るだけの利潤を生み出すという視点は大切。是非、具体的な事例について検討して欲しい。
○ 国土管理の観点から、自治体の規模によって管理のやり易さや、効果に差がある。例えば、平成の大合併により、国土管理がどのように変わったのか。一般論として、予算規模の大きい地方公共団体の方が良い対応が期待できそうであるが、小さいところのほうが個別の担当者の裁量が大きいことによってフットワークが軽くなり、対応がよいこともある。こうした観点からも調査を進めて欲しい。
○ 国土を管理するということは、居住者が面倒をみるということだとすると、住み続ける国土専門委員会の議論が大事である。国土管理を関係人口という観点で考えると、例えば、地域おこし協力隊の方は非常にいい仕事をしていると考えている。今後は、住み続ける国土専門委員会と情報交換を行い、国土管理専門委員会としてどのようなことができるのか考えたい。

<専門委員会全般について >
○ 今日は、資料2「最近の国土をとりまく情勢について」で、国土計画のフレームについての整理と、3つの専門委員会による課題分野毎の報告があったが、国土全体のフレームと3委員会等のとりまとめとの対応関係が整理されていないのではないか。例えば、東京一極集中に対して、国土政策は何ができるかという点など、国土計画として考えるべき課題が全体として組み立てられていない印象を受ける。国土全体を見通して、計画推進部会として次の国土計画に向けた基礎的な作業を行っていくという面も必要ではないか。
○ 是非踏み込んで欲しいテーマが2つある。1つ目は、各事例で紹介された主役の人について、何が原動力であるか、対流の熱源が何かという観点。2点目は、使えない土地を使わない、放置しておくという視点もあるのではないかという点。例えば、放置すると何が起こるのかについて突き詰めて検討した上で、土地を使う、使わないという結論を考える視点もある。
○ 3つの専門委員会は、それぞれ時間軸が違っており、目標達成の時期は短期、中期、長期と分かれている。稼げる国土では短期、国土管理は長期である。しかし、3つの専門委員会に共通しているのは、はじまり(起算点)が現在であるという点。現在着手する方策と30年後に投入する方策は違うので、時間軸をわけて検討することも考えられる。
○ 国土管理専門委員会と、住み続けられる国土専門委員会の検討には、共通性があると認識した。最近、プロジェクトマネジメントの考え方に近い、プロセスデザインの考え方があり、今後の国土計画への導入を真剣に考えるべきである。

以上

※速報のため、事後修正の可能性があります。(文責 事務局)

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