大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2021年4月6日(火) 9:25 ~ 9:35
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはございません。
このほか、私の方から1点、台湾で発生した列車事故に関して、御報告いたします。
先週金曜日に台湾東部で発生した特急列車タロコ号の列車事故により、日本人2名の負傷者を含む、多くの死傷者が発生いたしました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、事故に遭われた全ての皆さまに心からのお見舞いを申し上げます。
事故原因については台湾当局において調査中と承知しておりますが、台湾とは鉄道分野での実務者同士の交流もあり、台湾側から要請があれば、国土交通省としても鉄道の安全管理等をはじめ、可能な支援を検討したいと考えております。
私からは以上です。
 

質疑応答

(問)調布の道路陥没事故をめぐってNEXCO東日本は先日、住民説明会を開きました。
その中で、道路の補修の際に、住民に一時転居を求める可能性もあるということが明らかになり、住民から反発の声も上がっています。
大臣の受け止めと今後の対策などあればお願いします。
(答)現在事業を進めている東京外環事業の関越-東名間におきまして、昨年10月に調布市において陥没が発生してしまいました。
このことについては、御不便ですとか、御苦痛を与えてしまっております地域住民の皆さまには改めまして心からお詫びを申し上げたいと思います。
これまでの住民説明会においては、事業者であるNEXCO東日本から、補償方針の御説明に加えまして、地盤補修に当たってのお願い事項として、地盤補修を行うために必要な調査や仮移転への御協力、また、仮移転ではなく、買取を希望される方の場合は、買取にも対応する旨を御説明していると聞いています。
この3日の住民説明会でこうしたことを初めて申し上げたということではなく、これまで個別にも訪問させていただき、個別の状況を伺いながら、このような御説明もさせていただいていると承知しているところです。
いずれにしましても、NEXCO東日本が丁寧な説明を行うことが大変重要なことですし、お住まいの皆さま方の抱える個々の事情はそれぞれですので、御意向を個別に丁寧に確認させていただきながら、住民の皆さま方に寄り添った対応をするように改めてNEXCO東日本に指示をしたところです。
国土交通省としましても、住民の皆さま方の不安を取り除けるよう、NEXCO東日本の今後の進め方等の検討及び住民の皆さまへの説明等については、最大限協力してまいりたいと考えております。
 
(問)先日、ボートレーサー200人以上が持続化給付金を不正受給していた問題が発覚しましたが、大臣の受け止めと、国土交通省の今後の対応についてお願いします。
(答)本件につきましては、まず、本年2月に日本中央競馬の厩舎(きゅうしゃ)関係者による持続化給付金の不正受給疑いが発覚したことを受け、持続化給付金を所管している中小企業庁より、公営競技を所管している各省に対し、関係団体向けに注意喚起を行うよう、要請があったところです。
国土交通省では、当該要請を受けまして、3月8日に、公益社団法人日本モーターボート選手会に対し、同給付金の不適切な受給が行われることがないよう、選手への周知徹底を図るとともに、同給付金の受給に係る実態調査を行い、結果を速やかに国土交通省へ報告するよう指示したところです。
3月10日から、日本モーターボート選手会及び選手の登録を行っている一般財団法人日本モーターボート競走会において選手への調査を開始し、その結果、3月30日に、同給付金の受給者が211名いること、同給付金の受給理由について、今後更なる精査を行うこと、その一方で、まずは、両会より受給者全員に対して自主返納を指示したこと、そして、両会の役員の減俸を行うこと、以上について、国土交通省へ報告があったところです。
当然のことながら、新型コロナウイルス感染症の拡大によって影響を受けた事業者の方々への支援を目的とした持続化給付金が、万が一にも不正に受給されるようなことはあってはならないと考えております。
国土交通省としては、両会からの報告を踏まえ、不正な受給があったのかどうか、更に徹底した調査を行うよう指示するとともに、不正な受給があった場合には、選手を監督する立場にある日本モーターボート競走会において、該当選手に対して厳正に対処するよう、指示したところです。
今後、受給理由の精査結果や、選手の処分方針等について早急に報告を求め、関係団体に対し、法令遵守の徹底と再発防止策を講じるよう指導していく方針です。
 
(問)アジアと欧州の間の国際物流についてお聞きします。
スエズ運河で座礁事故が発生し、6日間にわたり通行不能となり、国際物流に影響が出ました。代替手段としてシベリア鉄道を使った輸送や北極海航路などがありますが、国際物流ルートや安定的な輸送の確保に向けて大臣のお考えをお聞かせください。
(答)今回のスエズ運河の事案を受けて、改めて、安定的な国際物流の実現のためには、多様な輸送手段・輸送ルートを確保しておくことが重要であると認識されたところです。
今回の事案では、3月29日に船舶が離礁するまでの間、日本の海運会社は、スエズ運河の遮断が長引くことを想定して、航海時間が長くかかり、消費燃料も増えることとなる喜望峰回りの代替航路への変更を実施または検討せざるを得なかった船舶が何隻もあったことは承知しているところです。
国土交通省としては、多様な輸送手段・輸送ルートによる安定的な国際物流の確保に向けまして、これまでもロシア政府・ロシア鉄道と協力し、日本-ロシア-欧州間における海上輸送・航空輸送に続く第3の輸送手段としてのシベリア鉄道の利用促進に向けた取組を実施しているところです。
具体的には、2018年度から官民連携としての貨物のパイロット輸送を実施しておりまして、2020年度においては、欧州までを直接結ぶ一編成借り上げ列車である「ブロックトレイン」の実証運行により、シベリア鉄道の利用拡大に向けた優位性と課題の検証を実施しました。
また、欧州-アジア間を結ぶ航路として新たな選択肢となる可能性がある北極海航路につきましても、北極海航路の利用動向等の情報収集、民間事業者や研究機関等との情報交換のための「北極海航路に係る産学官連携協議会」の開催等を行い、利活用に向けた環境整備に取り組んでいるところです。
ただし、これらの輸送手段・輸送ルートにつきましては、現時点では例えば輸送力や通年運航といった点で課題があるのが現実です。
国土交通省としては、今回の事案を通じ、スエズルートに依存するリスクが明らかになったことを踏まえ、荷主や物流事業者のニーズや意見を伺うとともに、国際的な動向も注視しつつ、多様な輸送手段・輸送ルートの確保に向けて、どのような取組が必要なのか、改めて検討してまいりたいと考えています。
 
 

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