島根地域は、県の北東部に位置し、松江市の一部(旧鹿島町、旧島根町、旧美保関町、旧八束町の区域)、出雲市の一部(旧平田市、旧大社町の区域)で構成され、東西約 66 ㎞、南北約6㎞で細長く三方を美保湾、大社湾、日本海にとり囲まれ、南側は中海、宍道湖に接し、その面積は 339.67㎢で県土の約 5.1 %を占めている。地域を東西方向に脊陵となる標高 500m 前後の北山山地が連なり、その北側は山地が海に落ち込み平地に恵まれていない。その沿岸及び沖合の海域は変化に富んだ海底地形を有し、天然礁が点在して好漁場となっている。特に、その東西両端は自然景観に優れ、昭和 38年に大山隠岐国立公園に指定されている。
一方、南側は、斐伊川、神戸川の沖積作用による平野が形成され、農業地帯となっている。
気候は、日本海型の特性を示し、冬季は曇天日、降水量が多く、北西の季節風が厳しく、漁港や港湾の利用に制約を受けている。しかし、平均気温は対馬暖流の影響を受けて、夏は 24 ℃、冬5℃、年平均 14 ℃前後と比較的温暖である。
年間の降水量は 1,700 ㎜前後であるが、北山山地に発する河川がいずれも小河川で、水資源に乏しく、干ばつや地すべり等の被害も多い。
歴史的には、国引き、国譲りに代表される出雲神話の主要な舞台であり、その神々を祭る古社が現存しているとともに各種神事が継承されている。また、江戸時代、日本海航路の開設に伴って、美保関、宇竜、杵築などがその要港として賑わい、明治から大正にかけては、機船底曳網漁業の発祥地となるなど豊かな経済力を背景に、地方色豊かな文化を育んできた。その後、周辺地域において、鉄道の開設や自動車交通網の進展に伴い、日本海航路は衰退し、本地域は交通の幹線軸から取り残されて行き、その活力は次第に低下した。
地域の人口は、昭和 30 年の 90,228 人をピークに減少を続け、平成 22 年においては63,069 人となっている。特に、半島の沿岸部を中心として、局部的には著しい過疎化現象も引き続き生じている。
註(平成 17 年3月 31 日に松江市、鹿島町、島根町、美保関町、八雲村、玉湯町、宍道町、八束町が合併して松江市に、3月 22 日に出雲市、平田市、佐田町、多伎町、湖陵町、大社町が合併して出雲市となっている)(島根地域半島振興計画抜粋)