渡島地域は、北海道の南西部に位置し、中央部には南北に渡島山地が走り、約80%が山岳丘陵地で占められ、東は太平洋、西は日本海、南は津軽海峡に面した海岸線は、太平洋側の一部を除き、屈曲に富み、海岸段丘が海に迫る変化に富んだ地形となっており、その美しい自然景観は、松前矢越道立自然公園などに指定されている。
また、河川流域の平坦地と海岸沿いに集落が形成され、津軽海峡に面した中央部には、道南最大の函館平野が広がっており、気候は、全般的に寒暖の差が少なく、北海道の中では温暖で積雪量は少ないが、日本海側では冬期間の季節風が強い傾向にある。
本地域は、鎌倉時代から和人が移住し始めるなど、北海道の中では早くから開け、松前藩時代(1590~1800年)には、松前・江差・箱館が、東北・北陸・近畿地方など本州各地と蝦夷地との交通・交易の拠点となり、我が国の北方開拓の歴史に大きな足跡を残している。