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朝廣 佳子(あさひろ よしこ)

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最終更新日:2010年4月12日

株式会社読売奈良ライフ 代表取締役兼編集長(奈良県奈良市)
朝廣 佳子(あさひろ よしこ)

主な経歴

1960年
岡山県生まれ
1993年
(株)読売奈良ライフ代表取締役
1999年
(社)奈良青年会議所第40代理事長
「カウントダウン2000 in NARA」実行委員長及び「なら燈花会」実行委員長  
2000年
なら燈花会の会」会長

カリスマ名称

「『奈良らしさ』を追求し『なら燈花会』を成功に導いたカリスマ」

選定理由

奈良公園付近一帯を幻想的なろうそくの灯りを用いて演出する「なら燈花会」の第1回目から実行組織リーダーを務めている中心的人物。このイベントをボランティアの協力による市民主体のイベントとして地域に根付かせるとともに、多くの来訪者を呼び寄せることができる「奈良の夏の一大イベント」として成長させることに貢献し、第6回目となる 2004年(平成16年)は期間中(11日間)に70万人もの誘客に成功している。

具体的な取り組みの内容

「なら燈花会(とうかえ)」の誕生

奈良市では、1988年(平成元年)より来訪者数20万人規模のイベント「ならまつり」が毎年8月に実施されてきたが、1998年(平成10年)に奈良市市制100周年を迎えるにあたり、さらに観光客を誘致できるイベントの開催について検討するため「祭りを考える会」が発足、同氏は、この考える会の立ち上げ当初から参画していた。

考える会の中で同氏は、いわゆる「お祭り騒ぎ型」や「一過性」のイベントではなく、「奈良にふさわしい祭りとは、奈良らしい楽しみ方とは」を追求し、議論を重ねてきた。その結果、奈良の夜の静けさや落ち着きを生かしたろうそくの灯りを使用するイベントの実施が決まり、実施に先がけて安全対策上のろうそくの形状や、燭台となるカップの開発に取り組むこととなった。

翌1999年(平成11年)、同氏が理事長を務める奈良青年会議所、それに奈良商工会議所青年部と奈良県経営者協会青年経営者部会の地元の青年3団体を中心とした「なら燈花会」の実行委員会が組織され、同氏が実行委員長に就任、恒例であった「ならまつり」に幕を降ろし全く新しい行事として「なら燈花会」が実施された。  

第1回「なら燈花会」は、地域のボランティアサポーター延べ800人の協力を得て、1999年(平成11年)8月6日から15日(実際は15日は雨で中止)の間、夏の奈良公園一帯(猿沢池と五十二段付近、若草山・春日山原生林を背とする浮雲園地、竹灯りの小道が続く浅茅ヶ原、浮見堂と鷺池の4エリア)を 6000本の「ろうそくの灯り」で照らして演出する内容で開催された。

事前の試験点灯が7月7日の七夕に行われ“奈良の天の川”とマスコミで紹介されたこともあり、本番期間中の来訪者は当初の予想を上回る17万人にも達し、幻想的な光の祭典として大きな話題となった。
なら燈花会
なら燈花会

「なら燈花会」の発展

「なら燈花会」の発展
2000年(平成11年)には、燈花会を今後末永く定着させるために、独立自主運営ができることを目指し、実行委員会組織を「なら燈花会の会」にあらため、同氏が会長に就任、第2回「なら燈花会」を企画・開催するとともに、同年大晦日の夜には新しい世紀を迎える年末年始のイベントとして「冬の燈花会」を浮雲園地、春日野園地で開催した。  

2001年(平成12年)の開催時には、ならまち等近隣の自治会や東大寺の夜間拝観への働きかけなどを行い、開催地域周辺の多くの施設・関係者の協力を得ることで、28万人もの来訪者数を迎えることができた。この年から障害者を対象にしたプレイベント「早咲きの日」が開催されている。  

2002年(平成14年)の第4回の企画時には、さらに開催地周辺への働きかけを行い、国立博物館も会場としての協力を得るなど、規模の拡大に取り組んでいった。また、同年には奈良市と姉妹都市である韓国・慶州で「慶州燈花会」を開催するなど「なら燈花会の会」の取り組みは海外にも広がっていった。

2003年(平成15年)の第5回開催では天候不順で3日間中止したことにより来訪者数は35.5万人となったが、開催日の来場者数は前年までを上回り、県外からの来場者が増加した。また、同年には組織力をさらに強化するため、特定非営利活動法人の認証に向けて準備を開始した。   

2004年(平成16年)8月5日から15日までの11日間開催した第6回では、これまでの最大規模となる奈良公園内の9エリアで 12000本のろうそくを灯し、前年倍増となる70.4万人の来訪者を迎えるまでに至った。今では「なら燈花会」は、世界遺産に囲まれた奈良公園を中心とした、古都の夜を幻想的に彩る、夏の奈良になくてはならない一大イベントとして定着しており、その内容は年を追うごとに深まりと広がりをみせている。

2004年(平成16年)6月に「なら燈花会の会」として特定非営利活動法人の認証を受けた現在では、組織としての独立自主運営も確立されつつあり、なら燈花会の公式商品の販売等によって、自主財源の確保に努め、より強固な新たな組織作りに向けて努力を続けている。
なら燈花会
なら燈花会

人柄と熱い思い

人柄と熱い思い
一般的に祭りといえば、華やかさや賑やかさがイメージされる。もちろん賑やかな祭りも必要ではあるが、多くの歴史遺産や伝統文化を有し、静けさが似合う古都奈良において、これまでとは違う祭りが創出されたことが意義深い。同氏は「このような祭りが奈良には絶対必要だと思っていました。当初の企画の際、やはり祭りは賑やかであるべきだとか、静かなイベントは若者に受けないのではないかという意見もありましたが、実施にあたっての不安はなかった。」と語っている。   

年々盛り上がりをみせる「なら燈花会」において、コーディネート側の苦労も多いと思われるが、同氏は、ある取材に「大変なことは、あまりないです。初めてのことをするのが、すごく好きなので、むしろ楽しかった。それは、協力してくださった皆様のおかげだと感謝しています。」と語っており、地元の方々の協力がすぐに得られなかった場面なども“苦労”としてではなく、“ジレンマ”と表現しており、このジレンマを埋めることに努め、最終的には多くの協力を得ることに成功している。   

また、西暦2000年を迎える大晦日に、若草山に1000人が登って人文字を作るイベント「カウントダウン2000 in NARA」の実行委員長を務めた際は、イベントの企画当初に、若草山管理者から「前例がない」と反対されたが、「前例を覆さないといつまでも変えられない」と切り返して強い意思とバイタリティーで「ジレンマ」の克服を続けた結果、最終的には企画の実施が認められ、当日はテレビの中継なども行われて全国で大きな反響を呼び、同地区の知名度向上にも貢献した。   

「奈良県地域づくりアドバイザー」としても活躍する同氏は、生まれ育った地で長く暮らしていると、あまりにも日常的過ぎて、その地の良さを見過ごしてしまうことがあるが、きっかけがあれば、自分の住んでいる地域の良さを改めて見つめなおすことができる。地域づくりのキーワードは、「みんなが主役のまちづくり」「チャンスは逃さない」「最後はやる気と根気」だと語っており、地域にかける情熱は、非常に熱い。
人柄と熱い思い

地域と共に

地域と共に
奈良市観光課の試算では、2002年(平成14年)度の燈花会の経済直接波及効果は約23億円、間接効果を含めると約42億円になるとしている。

経済が地域にもたらす直接的な効果とあわせて、このイベントの大きな特徴としてあげることができるのは、第1回目の開催から多くのボランティアが運営に関わっていること、周辺施設や近隣自治会、県や市の協力を獲得し、地域一帯が運営に関わる参加型のイベントとして成功していることである。

あまり知られていないようであるが「なら燈花会」は多くのボランティアの手によって支えられており、宣伝ポスターの掲示や協賛金集め、期間中毎日の作業となるろうそくの点灯消灯、カップの出し入れや清掃等、ほとんどの作業が、今では延べ2300人を超えるボランティアの手によって行われている。ボランティアの中には首都圏から泊まりがけで参加するリピーターもいるほどである。  

同氏は「燈花会には宗教的な意味はないが、訪れた人は、奈良という土地で、目に見えない神様や仏様を感じるのだと思う。祈り、願い、信仰・・・。それぞれの思いで、心をこめて灯りをつけていただき、そして、その灯りを見るみんなの心がなごむイベントであってほしいと思っている。また、私個人として奈良のまちづくりに携われることを誇りに思っている。

そして、将来的には「なら燈花会の期間中には、奈良の町中至る所で数十万本のろうそくの灯りが灯り、100万人が訪れても奈良の静けさを保てるようなイベントにしたい。」と語っている。
地域と共に
地域と共に

【参考資料】

KIRIN KANSAIホームページ
奈良青年会議所ホームページ
GLOBAL NARA 第19号
奈良新聞(2003年7月17日)    
このページに関するお問い合わせ
朝廣氏ご勤務先(原則ご本人が対応)   
電話 0742-27-7441   
FAX 0742-27-7413   
E-mail yomikko@cronos.ocn.ne.jp

関連情報はこちら→なら燈花会の会ホームページ

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