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有村 佳子(ありむら よしこ)

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最終更新日:2010年4月12日

株式会社指宿ロイヤルホテル 代表取締役会長(鹿児島県指宿市)
有村 佳子(ありむら よしこ)

主な経歴

1940年
埼玉県生まれ
1982年
株式会社指宿ロイヤルホテル 代表取締役
2000年
指宿温泉華の会顧問
2001年
指宿に砂浜をつくる会(現いぶすき町づくり協議会)会長
2002年
MIKAKU(宮崎・鹿児島・熊本)女将会会長        
社団法人鹿児島県工業倶楽部理事(食・温泉・運動融合化研究会代表)

カリスマ名称

「『温泉・食』などオンリーワンの地域資源を生かした観光のカリスマ」

選定理由

鹿児島の主要観光地である指宿で、浸食傾向にある“砂浜”の再生に、自らが砂浜をつくる会の会長となり、地域一体となって取り組むとともに、天然砂むし温泉や地元の豊かな食材など、鹿児島が誇るオンリーワンの地域資源を活用し、それに運動を組み合わせた、「食・運動」をキーワードとする新たな観光振興の展開を図ろうと日々奔走している。

具体的な取り組みの内容

砂浜再生の取組

指宿は古来、「湯豊宿」と標記されるほど豊富な温泉と自然環境に恵まれ、高度経済成長期には新婚旅行のメッカとして、全国から多くの人々が訪れ、賑わいに満ちたまちであった。時代は進み、少子高齢化や経済の低迷等の影響により、地域の活力は徐々に低下してきている。

有村氏は、このような時こそ市民が一致団結し、一人一人の知恵を結集し、将来にわたって有用な宝物を残す努力を始めなくてはならないと考え、その第一歩として、かつての指宿の美しい砂浜を取り戻す活動を進めるため、2001年(平成13年)に「指宿に砂浜をつくる会」を発足した。

「指宿に砂浜をつくる会」では、これまでの美しい砂浜を再生するための基本計画の作成をはじめ、署名活動や模型づくりによる啓発活動を行い、特に、署名活動では、指宿市総人口の約1/3に当たる12千名余の署名を集めた。2003年(平成15年)には、指宿のまちづくりを総合的に考えていくため、「指宿に砂浜をつくる会」を「いぶすき町づくり協議会」へ発展させ、市民の協力のもとに、まちづくり構想「住んでよし、訪れてよしのイブキの国づくり」を取りまとめた。

この構想は、地域の住民が共に地域のテーマを設定し、町全体をデザインする建築家との協働により、砂浜の再生(自然環境の再生)を核とした高齢者も安心して暮らせる美しい自然と街並みによる「健康で長生きできるコミュニティ(テーマタウン)」を住民主導で再生することを目的としており、国の 2004年度(平成16年度)のまちづくり支援事業「全国都市再生モデル調査」にも選定された。

現在、有村氏は、市民・行政と一体となって本構想の推進に積極的に取り組んでいるところである。
砂浜再生の取組(砂浜の再生イメージ)
砂浜再生の取組(砂浜の再生イメージ)

「いぶすき温泉華の会」顧問としての取組

有村氏は、指宿温泉の女将や若女将らで結成する「いぶすき温泉華の会」の顧問として、指宿温泉をはじめとする県観光PRや地産地消に取り組み、旅館業と他業種との連携により地域活性化に貢献している。具体的には、2001年(平成13年)に、農漁業、商業、町おこしや生活改善グループの女性代表ら130人を集め、「おごじょサミット」を開催し、女性参画による観光指宿の活性化に積極的に取り組んでいる。
いぶすき温泉華の会顧問としての取組み
いぶすき温泉華の会顧問としての取組み
(華の会メンバー)
このほか、同氏は指宿の政府登録9ホテルでオーナー会を結成し、予約状況を透明化して顧客送迎を相互協力する、いわゆる「指宿方式」も生み出した。 2002年(平成14年)からは、生産高全国一位を誇る指宿のそら豆、オクラなどの地産地消を実践し、2003年(平成15年)には指宿地区の農村女性グループ「きらめきべっぴんネット」との連携で「ホテルフェア」と題し、華の会会員5人のホテルのロビーで朝市や夕市を開催している。

また、指宿地区において、外食産業や食品産業等と連携し、お茶やさつまいものアイデア料理を提案する「旬の農産物PR会」や、かごしまの食新料理コンクール「地域“食”の御膳」、「旬の農産物を味わう会」を開催するなど、県産農林水産物の活用促進に努めている。

温泉と食、運動による新たな産業の創造

温泉と食、運動による新たな産業の創造  
有村氏は、異業種の企業でつくる社団法人鹿児島県工業倶楽部の「食・運動・温泉融合化研究会」代表として、地域の農業・水産業から豊富に産出する「食材」と、年齢・体力に応じた「運動」、地域の無尽蔵の有用資源である「温泉」を活用した「スパドゥ」に取り組んでいる。(※スパドゥ:英語の「温泉= spa」と「~する=do」からなる造語)

「スパドゥ」は、ホテルで鹿児島ならではの食事と砂むし温泉を楽しみ、個人に必要な運動を取り入れ、医療や専門家の指導を受け、健康な人をより健康にする「健康増進サービス」と「観光」を併せた新産業を創出することを目的としている。2004年(平成16年)7月には、黒豚や地鶏、ニガウリなどの地場産品をふんだんに使った各人の必要カロリーに応じた食事と、ウォーキング、天然砂むし温泉を取り入れたモニタリングを実施し、医学的な検証と事業化のためのデータ収集を行ったところである。
温泉と食、運動による<br>新たな産業の創造 (モニタリング参加者)
温泉と食、運動による
新たな産業の創造 (モニタリング参加者)
温泉と食、運動による新たな産業の創造
温泉と食、運動による新たな産業の創造
(地元の食材を取り入れ、
個人毎にカロリーを計算した食事)
温泉と食、運動による新たな産業の創造 (ウォーキングの様子)
温泉と食、運動による新たな産業の創造
(ウォーキングの様子)
有村氏は、今後こうした企画を旅行会社と連携しながら自社のホテルで旅行商品として売り出し、観光に健康増進を加えた滞在型観光の事業会社の設立に取り組むこととしている。

オンリーワンを活かす  

有村氏は、マスコミの取材に、「これからの観光地は競争に勝っていくオンリーワンの要素が必要。鹿児島は本土最南端に位置し、南北600キロにもわたる海がある。活火山や離島もある。こんな恵まれた土地はどこにもない。

観光は人を幸せにする産業であり、人の究極の幸せは健康でいながら年をとること。『スパドゥ』はこうしたニーズに応えることができる。しかも指宿のオンリーワンである砂むしを活かした事業で、指宿まで足を運んでもらわなければ体験できない滞在型のプランである。新幹線の追い風も吹いている今が、こうした鹿児島の地の利を活かす絶好のチャンスだ。」と語っている。
オンリーワンを活かす(指宿の天然砂むし温泉)
オンリーワンを活かす(指宿の天然砂むし温泉)

参考資料

・平成15年10月17日 南日本新聞
・平成16年 1月 9日 南日本新聞
・平成16年 7月13日 南日本新聞
・平成16年 9月16日 南日本新聞
・平成16年 7月21日 旬刊旅行新聞    
このページに関するお問い合わせ

有村氏ご連絡先(原則ご本人が対応)   
電話 0993-23-2211   FAX 0993-23-2214   
関連情報はこちら→指宿ロイヤルホテル


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