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塙 吉七(はなわ きちしち)

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最終更新日:2012年9月20日

財団法人茨城県開発公社 国民宿舎鵜の岬 総支配人(茨城県日立市)
塙 吉七(はなわ きちしち)

主な経歴

1949年
茨城県生まれ
1971年
財団法人茨城県開発公社入社 国民宿舎「鵜の岬」配属
1977年
茨城勤労者いこいの村涸沼
1982年
国民宿舎「鵜の岬」支配人  
2004年
財団法人茨城県開発公社施設管理部参事兼国民宿舎「鵜の岬」支配人

カリスマ名称

「従業員の高いサービスで国民宿舎利用率全国第1位を15年間継続するカリスマ」

選定理由

公共の宿泊施設は、低価格だがサービスや食事のレベルが低いと言われていたころ、塙氏は職員とともに心のこもったサービスでお客様をもてなすことにより、公共の宿泊施設のイメージを一新し、魅力ある施設へと変貌させ、それを継続することに成功している。

具体的な取り組みの内容

茨城県立国民宿舎「鵜の岬」は、1971年(昭和46年)に日本の白砂青松百選にも選ばれた多賀郡十王町の伊師浜海岸の岬の先端にオープンした4階建てで宿泊定員は124人の宿泊施設だった。1976年(昭和51年)にはレジャープールを建設し、最盛期には年間3万人以上の利用があったが、最初の10年ほどは宿泊利用率が45%前後で推移していた。

塙氏が1982年(昭和57年)に支配人として就任した当時、職員は素人集団であり、施設の老朽化も進み、そのサービスレベルは利用客の求める水準にそぐわない状態であったそうである。
鵜の岬全景
鵜の岬全景

おもてなしの心

茨城県内では1985年(昭和60年)のつくば科学博(EXPO85)の開催とあわせ、宿泊環境の整備に力を入れていたこともあり、「鵜の岬」も抜本的な改修が計画され、展望エレベーターなどの整備が行われた。
塙氏が就任当初に始めたことは、まず職員たちとの話し合いだった。その中で、「私たちはホテルマンのような専門的なことを学んでいないが、だからといって公共施設の画一的な接客マニュアル的なサービスを実践するのではなく、ここが自分の家だと思おう。そして自分の家にお客様がいらした時にお母さんがおもてなしをするように、心を込めてお迎えし、気持ちよく過ごしていただこう。」ということを決めた。

それから、すべての職員がこの心構えを持ち、お客様に出会えば笑顔で挨拶の声をかける。履いてきた靴をチェックアウトまでに磨き上げる。具合が悪くなった方には職員が病院まで同行する。お客様が帰る時には、車が見えなくなるまで手を振って見送るといった、まさに、家庭的なおもてなしを実践している。
鵜の岬秋祭り
鵜の岬秋祭り

宿泊利用率の向上

「鵜の岬」の1981年(昭和56年)の宿泊利用率は37.5%だったが、その後、1982年(昭和57年)は44.1%、1983年(昭和58年)は 45.1%、1984年(昭和59年)は55.3%と、まさに同氏の支配人就任を契機として宿泊率は大きく改善されていった。

そして1989年(平成元年)には、宿泊利用率が82.6%と8割を超え、全国の国民宿舎における宿泊利用率で日本一となった。こうした宿泊利用率の向上とあわせて、施設面では1997年(平成9年)に新館が竣工し、宿泊定員は204人となったが、宿泊利用率は1989年(平成元年)から15年間日本一を継続しており、2002年、2003年(平成14年、15年)には97.7%とほぼ100%に近い宿泊利用率となっている。昨今はトップシーズンの夏休み、年末年始の平均申込倍率は、それぞれ10倍・80倍で、最高倍率は、それぞれ40倍・280倍にも及んでいる状況である。
祈願だるまへの書き込み(正月イベント)
祈願だるまへの書き込み(正月イベント)

高利用率の理由

「鵜の岬」では、おもてなしの心を大切にした、きめ細かいサービスの実践だけでなく、お客様の心のふるさと作りに即した施設等の充実を図りながら営業活動を行っている。
このほか、同氏は、若いスタッフの活用、素朴で自然な接客、同氏の自ら率先してサービスに走る姿勢、地元を大切にする姿勢などにより、職場の活性化にも努めている。

また、2001年(平成13年)には隣接地に日帰り温泉施設「鵜来来(うらら)の湯十王」が開業、「鵜の岬」の魅力の一端が楽しめるようになったことも高宿泊利用率の維持に寄与していると思われる。
マスコミの取材に対して同氏は、県立自然公園という恵まれた環境、太平洋を一望する新館の展望風呂、地元海産物を使った郷土料理、職員のアットホームなサービスの定着が、これまでの高利用率の維持につながったと答えている。
十王まつり
十王まつり

将来に向けて

15年間宿泊利用率全国第1位を続けていることは、建物や温泉のすばらしさや料理のおいしさだけではなく、従業員の「自分の家に大切な人が来たような」接客サービス意識が定着し、お客様に対するおもてなしの心が評価されている結果でもある。

同氏は、「『茨城に来てよかった、また来たい』と思っていただける施設にと、みんなで一生懸命やってきた。公営として恥じないような施設づくりを心がけ、初心に帰っていきたい」、「今後もこの『鵜の岬』が、お客様の第二のふるさととして、疲れを癒し、のんびりしていただけるような、施設であるよう、がんばっていきたい」と話している。
長良川等へ海鵜を供給
長良川等へ海鵜を供給

参考資料

・茨城県政情報 ホットラインひたち(井手よしひろ氏ホームページ)
・All About 日本の宿 ガイド記事 噂の国民宿舎「鵜の岬に泊まる」
・2004年6月9日読売新聞
・2004年6月9日産経新聞
・2004年6月9日茨城新聞
このページに関するお問い合わせ
塙氏ご連絡先
電話 0294-39-2202

関連情報はこちら→国民宿舎「鵜の岬」ホームページ

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